2026 年 3月 7日 (土)
ホーム社会「運転免許」自主返納は機能しているのか?…韓国・高齢者事故急増と制度の限界

「運転免許」自主返納は機能しているのか?…韓国・高齢者事故急増と制度の限界

京畿道水原市勧善区の水原市交通政策課で、返納済みの運転免許証を整理する職員(c)news1

韓国・ソウルで1月2日、地下鉄1号線鐘閣駅付近で70代のタクシー運転手が歩行者や車両に突っ込み、1人が死亡、14人が負傷する事故が発生したことで、高齢運転者による交通事故対策としての「運転免許自発返納制度」が再び注目を集めている。

65歳以上の高齢者が関与する交通事故は年々増加しており、自発的な返納を促す政策は一定の効果を上げているが、返納率の低さや制度の実効性不足が依然として課題とされている。

現在、韓国では「高齢者運転免許自発返納交通カード支援事業」が実施されており、ソウル市では2019年から70歳以上の高齢者が免許を返納すると交通カードの形で支援金が支給されている。

ソウル研究院が2025年12月19日に発行した報告書によると、ソウルにおける65歳以上の高齢者による交通事故件数は2015年の4158件(全体の9.9%)から2024年には7275件(同21.7%)に急増している。高齢運転者の数も49万人から95万人へと倍増し、今後も高齢化の進行により増加が見込まれている。

近年も、2024年7月の市庁駅での逆走事故(死傷者16人)や、2025年11月の済州でのレンタカー事故(死傷者13人)など、60代以上の運転者による重大事故が相次いで発生し、制度の拡充と実効性確保の必要性が指摘されている。

ソウル研究院の分析では、2024年の全高齢者事故7275件のうち、制度によって約523件を防ぎ、事故コストを約163億8000万ウォン削減できたと推計している。

市民の反応は概ね肯定的だ。26歳の女性会社員は「とても良い制度だと思う。父も将来的に返納を考えている。75歳以上には認知機能検査を3年ごとに実施する制度も、安全のために必要だ」と語った。

また、50代の男性会社員は「高齢者による事故が多すぎる。急発進ではなく、身体がついていかないケースも多いのではないか」と述べた。

一方で、制度の限界を指摘する声もある。2019年からの7年間で累積返納者数は12万2135人にとどまり、新型コロナ以降の2022年からは年間2万5000人程度、全体の高齢者免許保有者に対する返納率はわずか2.7〜2.9%に過ぎない。

(c)news1

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