――新生児や幼児のように、意思表現ができない児童が出演することについてはどう思うか。
チョン院長 なるべく出演させないほうがいい。撮影する過程で子どもの権利を侵害するのではないか。いくら短く撮影したとしても、子どもにとってはとても大変なことかもしれない。ある子は映像で「これもう食べてもいいの?」「全部撮り終わったの?」という。すべてが撮影の都合に合わせられているのだ。
――児童権利侵害が疑われる映像を発見した場合、視聴者側でどのような措置を取ればよいのか。
チョン院長 発見次第、通報ボタンを押せばいい。「他の人が通報するだろう」と思わず、すぐに通報すべきだ。何かが大きく変わるわけではないが、そういう通報が集まると、制作者側にも(問題を)認識させることができるからだ。
――児童のオンラインコンテンツ出演と関連して、韓国の政策上、不備な部分は何か。
チョン院長 大部分が「任意規定」であり「勧告」だ。そのため「ひとりメディア」の場合には制裁手段が事実上ない。児童の権利への侵害がひどい場合、直ちに制限できる強制規定が必要だと思う。
――児童のオンラインコンテンツ出演と関連して、社会的認識の変化をどうリードできるか。
チョン院長 シェアレンティングの問題が提起されて、まだ2~3年だ。今も親が子どもたちの写真や映像を無作為に公開する場合が多い。大人同士はむしろ気をつけるが、子どもの肖像権については気をつけない。これを予防するには、まず児童権利保障院の認知度を高め、子どもたちだけでなく、親に対しても「デジタルリテラシー」「メディアリテラシー」の教育が必要だ。
――児童権利保障院を運営するうえで、どんな点に問題意識を感じるか。
チョン院長 われわれは、子どもの出生から自立まで、すべてのライフサイクルに関与する。その中には、貧困や虐待など、さまざまな生活の危機があり得る。ただ、シェアレンティングのように「すべての児童」を対象とする事業の予算は多くない。もちろん緊急性がある順に予算は配分されるべきだが、広い範囲の被害を予防することも重要だと思う。予防がうまくいってこそ危機集団の数が少なくなり、児童をよりよくケアできるからだ。
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