2024 年 10月 4日 (金)
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「生成型AIによる医療革命」患者診断から治療まで支援…韓国IT企業も参戦

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人間の言語を理解し、独自に判断・行動するレベルに進化している生成型AI技術が、ヘルスケア分野に進出しつつある。AIが米国の医師試験に合格するまでに進化し、患者の診断、治療、管理といったヘルスケア産業全体において、新たな革新の機会を提供する可能性が高まっている。

グローバル市場調査企業プレシデンス・リサーチの報告書によると、グローバル生成型AIヘルスケア市場は、昨年14億5000万ドル(約2066億円)から、2032年には217億4000万ドル(約3兆円)に達し、年平均35.1%の成長率を記録する見込みだ。

この流れに合わせ、世界のテクノロジー企業が次々とヘルスケア市場に参入している。米グーグル、オープンAI、メタをはじめ、韓国の代表的なIT企業であるネイバーとカカオも、自社開発の大規模言語モデル(LLM)をもとにヘルスケア市場で新たなチャンスを探っている。

ヘルスケア分野のAIは、2010年にIBMが医療AI「ワトソン(Watson)」を発表して市場に参入したが、大衆化には至らなかった。診断の不正確さなど技術的な限界があり、最終的には医師の補助的な役割に留まった。結果として、IBMは150億ドル(約2兆円)を投資した「Dr.Watson」事業を2021年に中止し、ワトソン・ヘルス事業部は投資会社フランシスコ・パートナーズに売却された。

しかし、オープンAIの「GPT-3.5」の登場後、グーグルの「Gemini」やメタの「LLaMA」など、より高度なLLMが次々と登場し、AIがヘルスケア産業の難題を解決する技術として再び期待を集めている。

韓国情報通信企画評価院(IITP)によると、ヘルスケア産業は現在、高齢化社会による医療弱者の増加、医療従事者の不足・業務過多、新技術導入における採算性・安全性の問題など、複数の課題に直面している。生成型AIは、臨床試験や医療画像の解釈、医師の補助、病院業務、保険審査といった分野で新たな革新を生み出す可能性がある。

グーグルは4月に「Med-Gemini」に関する論文を発表した。このモデルは、テキスト、画像、遺伝情報など様々な形式の医療データを学習し、放射線学の報告書を生成するLLMである。胸部X線やCT画像、心電図の信号、遺伝子情報などを学習し、医療現場向けに特化した。

ネイバーの超巨大AI「ハイパークローバー(HyperCLOVA)X」は、韓国の医師国家試験レベルの問題を解ける能力を持ち、健康診断結果をAIが分析し、個別の見解書を自動で作成するなど、社内の病院で多様な医療サービスのテストを進めている。

カカオブレインは生成型AI技術を活用した医療画像診断サービス「カラ-CXR」と、新しい抗体新薬設計プラットフォームの開発を進めている。

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