韓国の大手ポータルサイト「ネイバー」で、保守系メディアに不利になるようニュース検索アルゴリズムが設定されていたという主張が持ち上がり、政府を巻き込んで確認に動く一幕があった。
この主張は、保守系与党「国民の力」のパク・ソンジュン議員が提起した。パク議員はネイバーが進歩系メディアは上位圏に、保守系メディアは下位圏にメディアの順位が調整されていると主張している。
これを受け、放送通信委員会が電気通信事業法上の禁止行為違反の有無など点検に乗り出すと明らかにし、政府もネイバーに圧力をかけ始めた。
争点は、メディアの人気度指標や被引用指数などニュース選別アルゴリズムの基準が、検索の上・下位圏を人為的に選択できる要因になり得るかどうかだ。
ネイバーは2019年、アルゴリズムを活用した「メディア人気度順位」を導入した。ニュース検索時に信頼度の低いメディアの記事が先に露出することを防ぐための措置だった。2021年にはアルゴリズムを再び修正し、より正確な検索結果を示すよう改良した。
ただ、パク議員は、2019年には上位圏にあった保守系メディアの順位が落ちたことを根拠に、アルゴリズム修正によってネイバーがメディアを差別したと主張している。
だが、実際には、アルゴリズムを利用してニュース検索順位を人為的に操作するのは不可能だ。
ニュース検索結果は20を超えるアルゴリズム要素で構成されており、人気度はこの要因の一つにすぎない。さらに、この方式はグーグルなど世界のポータル業界のアルゴリズム分野全般に共通する技術で、人気度が検索結果を覆すほど影響を与えるわけではなく、メディアの性向とは無関係な要因といえる。
ネイバーもニュース検索アルゴリズムにメディアの性向を分類したり反映したりする基準はないと説明している。
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