2024 年 5月 19日 (日)
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「方向音痴」は昔話…アリの位置まで感知する韓国「次世代フォン」

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大型ショッピングモール内で待ち合わせをしたが、全地球測位システム(GPS)が作動せずたどり着けない――。こんな悩みを解消してくれるのが室内でも位置追跡が可能な超広帯域無線(UWB)技術だ。

韓国ではUWBシステムが転換点を迎えている。科学技術情報通信省が昨年11月、携帯機器内のUWB周波数許容範囲を500MHz(メガヘルツ)以上に拡大してからだ。精度の高いサービスを提供しようとする産業界の要求を受け入れて規制緩和した。

簡単に言えばUWBは「家の中でも作動するGPS」だ。GPSは人工衛星を通じて機器の位置を把握するので室内での測定が難しい。これに対してUWBはアリがどこにいるか感知できるほど精巧な測位技術だ。1970年代に米国で軍用暗号通信・レーダーなどの目的で開発され、2000年代に入って商用化が始まった。

2019年にスマートフォンに搭載されて一般にも知られるようになり、情報技術(IT)業界では規制緩和を通じてスマホを中心にUWB位置測定システムが拡大するとみている。

まず、スマホ地図アプリにUWBベースの室内ナビゲーション機能が適用される見通しだ。

混雑するショッピングモールでも行きたい場所をすぐ探し当てることができる。広い地下駐車場に止めた自動車の位置を知らせる機能もスマホに追加されることになるだろう。このほか、幼い子どもや認知症患者の失踪予防などにも役立つとみられる。

現在、UWBチップが入っているスマホは、サムスンのギャラクシーフォンの一部プレミアムモデルだけだ。

業界ではUWB搭載スマートフォンを紛失した場合のことを考慮し、セキュリティ機能の強化を課題に挙げている。個人位置情報収集範囲の設定も課題の一つだ。業界関係者は「企業が勤怠管理にUWBを活用できる」としつつ「プライバシーを考慮してどこまで位置情報を集めるかも議論しなければならない」と話している。

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