韓国の核心技術である水素燃料製造技術を中国企業に漏らしたとして、産業技術の流出防止および保護に関する法律違反などの罪に問われた韓国・現代自動車の元研究員に対し、水原地裁はこのほど、懲役5年と追徴金3億ウォン(約3300万円)の判決を言い渡した。他の被告2人にも懲役4年と懲役2年が言い渡された。
元研究員は2016~18年、中国の自動車企業に転職した後、現代自動車で得た水素燃料電池システム「スタック(Stack)」の製造技術情報を漏らし、スタックの核心部品である膜電極接合体(MEA)の情報などを不正に使用した罪に問われた。
スタックは水素と酸素の反応で電気を発生させる原理で動作し、水素燃料電池車の重要な構成部品だ。国家の核心技術であり、現代自動車の営業秘密でもある。現代自動車はこれらの技術を秘密に管理するために、社内にセキュリティチームを設置し、退職者に同業他社への転職を制限する契約を結ぶなど、流出防止に努めていた。
元研究員は在職中に取得した技術情報を削除・返却する義務があったが、転職後も関連資料を保管し、不正に使用したことが明らかになった。
この元研究員は転職先でそれまでの年収(約9000万ウォン)の倍の1億8000万ウォンを受け取ったとされる。
他の2人は2019年2月、中国で投資家を引き入れてMEAの製造・販売のための合弁会社を設立し、同年、中国の水素燃料電池開発企業と170億ウォン規模の投資合弁業務協約を締結した。スタックのパイロット量産設備を構築するための情報を取得するために、現代自動車の協力企業に接触し、関連する技術情報を得るために動いたとされる。
協力企業の代表ら4人は、中国にスタックの量産設備を供給するために、部品の詳細仕様や図面などを漏らした罪で有罪判決を受けている。
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