グローバル市場を主導する韓国サムスン電子のフォルダブルフォンに危機感が漂っている。巨大な内需市場が強みの中国メーカーの躍進で、市場初期と比べてシェアが半分に減ったためだ。単なる「サムスンコピー」にとどまった以前とは違って、中国企業は高い技術力を前面に打ち出して世界市場を攻略している。
市場調査DSCCによると、今年第1四半期(1~3月)のグローバルフォルダブルフォン市場で、サムスンは45%のシェアを占めている。依然として高い占有率で1位を維持しているが、フォルダブルフォン市場初期の2020年(90%近く)と比べると、ほぼ半分の水準だ。2位は中国スマートフォン大手「OPPO(オッポ)」(21%)、3位は中国通信機器最大手「華為技術(ファーウェイ)」(15%)だった。
第1四半期はフォルダブルフォンの新製品発売効果が薄れるオフシーズンだ。しかし、年間を通して見てもサムスンフォルダブルフォンの占有率は毎年大幅に下落している。DSCCはグローバルフォルダブルフォン市場でサムスン占有率が2021年は88%、2022年は78%、2023年は72%になるものと見通した。
一部では、こうした流れが続けば、2~3年内に中国メーカーがサムスンに追いつくと警告する。
業界のある関係者は「『模造品』などと揶揄され、市場で通用しそうになかった中国のフォルダブルフォンが、最近は欧州市場などでも注目されている。サムスンも安心できない。今後2~3年内に勢力図が変わる可能性もある」と述べた。
専門家はサムスンがフォルダブルフォン市場で確実にトップを維持するためには、中国市場を死守すべきだと助言する。しかし、これは容易ではない。中国は伝統的に「愛国消費」が強い。そのうえ、2016年の最新鋭迎撃システム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」騒ぎで反韓感情が広がったことによる不買運動も影響を及ぼしている。
サムスンはこのような状況を打開するため「中国事業革新チーム」(2021年)を新設し、積極的なマーケティング戦略で反騰を狙ったが、なかなか成果が出ない。
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