韓国ファッション通販大手のムシンサ(MUSINSA)の昨年の連結売上高が1兆ウォンに迫る一方で、人件費や減価償却費の増加などで赤字転換した。
電子公示によると、ムシンサは昨年連結売上高が9931億ウォン(1ウォン=約0.11円)と前年に比べ40%増加したが、営業赤字は86億ウォンを記録した。前年の営業利益は113億ウォンだった。
ムシンサは「昨年下半期から国内ファッション市場は多少沈滞した状況だったが、年間売上高は約1兆ウォンに達した。最近終えた組織改編を土台に今年は安定的な収益創出と成長の基盤を固める計画だ」と説明した。
別途基準の売上高は約8830億ウォンで、前年比36.9%成長した。統計庁の発表によると、オンラインファッション市場の規模が昨年は4.45%の成長にとどまり、内外的に厳しい市場環境の中でも同社は大きく成長傾向を示したものと分析される。ムシンサの別途基準内にはオンラインプラットフォームであるムシンサ、29CMをはじめグローバルビジネスと自社ブランド(PB)である「ムシンサスタンダード」の実績が含まれる。
別途基準の営業利益は約371億ウォンで、前年比40%減少した。これは今年初めに役職員に支給した譲渡制限条件付き株式(RSU)に伴う費用計上効果で、株式補償費用が2023年は約349億ウォンと前年に比べ50.2%増加した影響が大きかった。役職員に対する株式補償費用が大挙発生したが、一時的な費用で今年からは一回性支出が大きく減少するものと予想される。
現金創出能力を示す指標である償却前営業利益(EBITDA)は2023年に別途基準で1042億ウォンだ。ムシンサの別途基準EBITDAマージン率は12%で、堅実に利益を上げている。また、2022年の当期純損失67億ウォンから昨年は約355億ウォンの当期純利益を記録し、黒字転換にも成功した。
ムシンサをはじめ、従属企業まで含めた連結基準で見ると、2023年の売上高は9931億ウォンと、前年より約40.2%増加し、1兆ウォンに迫った。連結基準の償却前営業利益(EBITDA)も2022年の724億ウォンから2023年は839億ウォンと15.9%増えた。
ただし昨年、ムシンサ本社・関係会社役職員に支給された一回性株式補償費用413億ウォンをはじめ、人材に対する投資による▽人件費・減価償却費増加▽取引額拡大に伴う決済代行を含む支給手数料の増加――など営業費用が増え、約86億ウォンの営業赤字を記録した。限定版プラットフォーム「ソールドアウト」を運営する子会社SLDTは2022年420億ウォン以上あった営業赤字を昨年は288億ウォンまで減らした。
ムシンサは新事業として戦略的に育成するブランドビジネスをはじめ、オフライン拡張、グローバル進出、限定版プラットフォーム「ソールドアウト」など体系的な計画の下に費用効率的な成長を図るという計画だ。合わせて2023年末には現金・現金性資産も前年に比べ2倍以上の4200億ウォン程度を保有しており、これを元に長期的な成長と収益創出を作り出すための戦略的対策を検討する。
ムシンサ関係者は「ファッション市場が急変する中でもムシンサは最近3年間、年平均40%以上の売り上げ伸張傾向を記録し、堅固に成長を持続している。今年はムシンサと29CM、ムシンサスタンダード、グローバルなどの核心的な事業領域で基盤を固めた後、持続可能な成長と収益を引き出すだろう」と話した。
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