イメージメイキングが重要になった時代を迎え、韓国の中小企業・食品業界も社名変更の風が吹いている。新規ブランドの立ち上げだけでなく、社名まで変え、親しみやすいイメージで消費者に近づこうという思惑がある。
共通して言えるのは、企業名を単純化したり、相対的にかっこよさが感じられる英文名に変えたりする傾向だ。MZ世代(文末参照)の好みを攻略して事業領域を拡大し、グローバル進出によってステップアップしようという意図がうかがえる。
韓国屈指のマスクメーカー「シーアンドトゥス(C&TUS)ソンジン」はこのほど、臨時株主総会を開き、社名を「シーアンドトゥス」に変更する議案を承認した。創立20周年を控えて2015年に買収・合併したエアフィルター源泉技術企業である「ソンジン」を社名から除外した。シーアンドトゥスはライフケアブランド「アエル(Aer)」を運営している。
同社は社名変更理由について「高機能性エアフィルタービジネスを超えて、グローバルなライフケア・ソリューション専門企業に飛躍したいという意思を込めたもの」と説明している。
シーアンドトゥスは社名変更を機に事業領域を拡張する方針だ。来年初め、新製品の空気殺菌器を発売し、専門家の定期管理サービス「アエルエアケアサービス」を開始する。グローバル市場攻略のための米国進出など海外事業も拡大する。
生活家電・キッチン用品メーカー「ハッピーコール(Happy call)」は社名を「HCカンパニー」に、ブランド名を「HC」にそれぞれ変更した。HCカンパニーは、ハッピーコールのブランド認知度を維持しながら、小型家電へと事業を広げるため、従来の英語名の頭文字を取った「HC」に決めた。
キャッチフレーズは「キッチンの愉快なキュレーター(Happy Curator)HC」に変更した。これまでの企業名は“電話相談の業者”と間違えられることもあり、企業名変更に力が入ったという。
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ことば MZ世代(Generation MZ)
1980年代半ばから1990年代初めにかけて生まれた「ミレニアル世代」と、それに続く1990年代後半から2010年ごろに生まれたのが「Z世代」。二つを合わせてMZ世代と呼ぶ。両者ともインターネットが普及した環境で育った「デジタルネイティブ」で、ソーシャルネットワークに積極参加するという特徴がある。
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