韓国で大きな人気を集めたドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」が、中国で不法に流通しているだけでなく、衣装や小物をコピーした製品まで販売され、物議をかもしている。
実際、先月まで中国巨大オンラインショッピングサイト「淘宝(タオバオ)」には「ウ・ヨンウ」のDVDと映像ファイルなどが韓国ウォンで約1000ウォン前後で販売され、商品紹介欄には中国語字幕などが挿入されているという情報まで書かれていた。
淘宝にあるのは不法DVDだけではない。ドラマで主人公が着用したカバンやジャケットなどが無断でコピーされ、販売に上がった。最近、中国当局は不法ストリーミングサービスや著作権違反の取り締まりに乗り出しているが、すべてのサイトを対象にするのは依然として無理があるようだ。
このようにOTTなどに乗ってK-コンテンツが世界的に人気を得ているなか、著作権侵害事例も急激に増えている。しかし、これを保護するための措置は依然として不十分だ。
文化体育観光省が野党「共に民主党」のチョン・ジェス議員(国会文化体育観光委員会所属)に提出した資料によると、K-コンテンツ不法流通によるインターネットアドレス削除要請の件数は昨年、30万554件だった。2015年の1万699件から6年間で約30倍になった。
半面、削除要請と削除完了の比率(削除率)は2015年には99%から今年は8月現在で42.3%まで半分以下に落ちた。著作権侵害事例が多様な形で発生し、2件のうち1件も削除できずにいる。
問題は中国だけでなく東南アジア諸国などに侵害事例が広範囲に増えているという点だ。同期間、国別の削除率(累積)を見ると、タイが45.7%、ベトナムは57.6%、中国は67.1%となっている。
コンテンツタイプ別には、音楽コンテンツが2019年の523件から2021年の1万6720件と、2年で約32倍増だ。映像(放送、映画)コンテンツは2019年の8万1088件が2021年の20万5338件に約2.5倍増となっている。
だが同期間のコンテンツ別削除率は音楽が27.9%で最も低い。ウェブトゥーンは48.8%、映像(放送、映画)は50.7%、その他は97.5%の順に高くなっている。
チョン・ジェス議員は「以前は著作権侵害事例が主に映像であり、侵害国家も主に中国だった。だが、現在はK-コンテンツの人気で、その侵害対象と国家が広範囲になっている。創作物が適切な補償を受けられるよう政府レベルでの対応が切実に求められる」と強調している。
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