2024 年 10月 5日 (土)
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知的財産権めぐる争い [KWレポート K-POP激変 (4)]

SMCU(写真=SMエンターテインメント提供)(c)NEWSIS

HYBE、カカオが「K-POPのパイオニア」であるSMエンターテインメントの経営権をめぐって繰り広げる争いは、知的財産権(IP)確保のためでもある。

世界的グループ「BTS(防弾少年団)」の成長と共に急激に規模を拡大したHYBEは、大手3社のSM、JYP、YGエンターテインメントに比べ「K-POP遺産」が不足している。

◇K-POPの系譜を引き継ぐ適任者

HYBEは今、BTS以前のK-POPアイドル第1、第2世代がいない。だが、K-POPアイドルの歴史を作ってきたSMならば、これを一挙に埋めることができ、最適の選択肢だ。K-POPの開拓者であるイ・スマン元SM総括プロデューサーを迎え、K-POPの系譜を引き継ぐ適任者を自任できるわけだ。

HYBEのパン・シヒョク議長は「HYBEはイ・スマン先生が推進してきたメタバースの実現、マルチレーベル体制確立、地球再生のためのビジョンキャンペーンのような戦略的方向性に全面的に共感した。HYBEの力を投入し、グローバル市場でK-POPの地位をより一層拡大していく」と話した。

◇「イ・スマン氏を伝道師に」

イ・スマン氏は今後3年間、海外だけでプロデュース業務を遂行できるという条項もあり、自分たちの色を溶け込ませることもできるとみられる。また、中東市場で相次いでラブコールを受けたイ・スマン氏を、該当地域にK-POPとHYBEの伝道師として派遣することもできる。

合わせてSMはキム・ソヒョン、ムン・ガヨン、ユ・ヘジンらの人気俳優が属したキーイーストのほか、カン・ホドン、シン・ドンヨプ、チョン・ヒョンムらスター芸能人が所属した「SM C&C」も子会社として傘下に置いており、HYBEが基盤を持たないエンターテインメント分野への進出も本格的に図ることができる。チャン・ユンジュら有名モデルが所属したESteemエンターテインメントは、SMの関係会社だ。

◇K-POPのIPがパワー不足

一方、カカオの子会社であり、国内最大の音源プラットフォームのメロンを運営しているカカオエンターテインメントも、HYBEレーベルズのようにレーベルを多数保有している。しかし、HYBEレーベルズと違い、つながりはやや緩い。IU(アイユー)の所属事務所EDAMエンターテインメント、アイドルグループ「MONSTA X(モンスタエックス)」とガールズグループ「IVE(アイヴ)」などが属したSTARSHIPエンターテインメント、女性アイドルグループ「Apink(エーピンク)」や「THE BOYZ(ザボーイズ)」などが属したISTエンターテインメント、そしてシンガーソングライター集団アンテナなどがある。

ロゴスフィルムやHBエンターテインメントなど映像コンテンツ・俳優マネジメント会社なども保有しているが、HYBEやSMと比べてK-POPアーティストのIP(知的財産権)パワーが不足しているのは否めない。

「国民歌手」のIU(アイユー)は独自に動いており、ガールズグループ「IVE(アイヴ)」のほかに確実に前面に押し出すK-POPチームがない。K-POPは、ミュージカルはもちろんドラマ、映画などにジャンル変換が容易で、世界的な拡張性も持っている。例えばYGエンターテインメント所属でK-POPの看板グループの一つ「BLACKPINK(ブラックピンク)」のジェニーが出演する動画配信サービス「HBO Max」の「The Idol」(6月公開予定)は、その代表例だ。

(つづく)

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