2024 年 12月 4日 (水)
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暗号技術で注目のスタートアップ、どんな技術? (下)

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◇「頼るしかない」

同型暗号の唯一の短所は、処理速度が遅い点。だが、CRYPTO LABはこれを数学的方法で解決した。従来の同型暗号と異なり「実数」を用いるアルゴリズム方式。米マイクロソフト(MS)の同型暗号ソリューション「SEAL」よりも処理速度が90倍速いという評価だ。

市場調査機関「ガートナー」は昨年11月の革新技術報告書で、マイクロソフト、IBMなど7社のうち、CRYPTO LABを「同型暗号技術」部門のサンプルベンダー(標本販売企業)に選定した。

技術力ほど市場性もあるだろうか、投資家たちはCRYPTO LABのソリューションの成長潜在力がかなりという、という点に賭けた。

ストーン・ブリッジ・ベンチャーズのチェ・ドンヨル氏は「同型暗号と関連した技術はIBMやMSなど、保有している企業がいくつかある。だが、同型暗号の演算でデータ速度を維持する技術はCRYPTO LABだけ。同型暗号技術によって同社のソリューションがグローバル業界のスタンダードとして定着し始めたということ」と強調した。

IBMであれMSであれ、究極的には同型暗号技術を使ってデータを暗号化するためには、CRYPTO LABのソリューション技術に頼るしかない、という状況が生まれている。

チェ・ドンヨル氏は「構造的にCRYPTO LABは半導体設計IPとしてロイヤリティ・ライセンス収益を出すArmのようになるだろう」とみる。実際にCRYPTO LABは今年2月、IBMと技術ライセンス契約を締結している。

◇「グローバルスタンダードを」

データセキュリティに対する関心が高まり、CRYPTO LABの成長への期待も高まっている。

チェ・ドンヨル氏は「同型暗号技術は一部の数学者たちだけに知られていて、CRYPTO LABの同型暗号源泉特許も5年前に出願された」と指摘する。だが、欧州の一般個人情報保護法(GDPR)、米カルフォルニアの個人情報保護法(CCPA)などによって同型暗号の需要も増え始めたそうだ。これが、2017年に設立したCRYPTO LABが最近になって突然、大規模な投資を誘致した背景だ。

アルトス・ベンチャーズもCRYPTO LABの成長性が大きいと見ている。

アルトス・ベンチャーズの関係者は「暗号技術でグローバル標準競争が始まった。CRYPTO LABボは、その成長性を見て、キム・ハンジュン代表が直接投資した企業」と明らかにした。

キム・ハンジュン代表は「CRYPTO LABはメンバーが世界的な博学に挙げられ、技術をソフトウェアによって実現していく創業者の一面も持つ企業」と位置付けたうえ、「グローバルスタンダードをつくることのできるチーム」と評価している。

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