2024 年 12月 9日 (月)
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旅行業界は「必環境」…MZ世代つかむ「エコ欧州」旅行

SDGs~韓国の取り組み

スイスのeバイクコース(写真提供=インターパークツアー)©MONEYTODAY

環境汚染の深刻さを認識し、気候変動が生む弊害を防ぐために制定された「地球の日」を控え、旅行市場にも変化が起きている。カーボンニュートラルとESG実践のため、特級ホテルと旅行会社が「必環境」パラダイムを受け入れ始めた。MZ世代の間で環境保護意識が高まっており、関連商品の拡大を通じて「クールな企業」に生まれ変わろうとする試みも目立つ。

韓国のインターネット旅行代理店「インターパークツアー(INTERPARK TOUR)」は先月、さまざまな海外旅行企画商品を発売し、旅行を通じた環境保護をテーマにした欧州ツアー商品を披露した。新型コロナウイルス感染の入国者隔離免除の発表が施行されるやいなや出した商品で、やや冒険的だという評価が出た。コロナ以前人気が高かった西欧州中心の香水を刺激するコスパパッケージが人気を呼ぶという展望と合わないためだ。

この商品は「電気自動車に乗って欧州に行こう」と「エコ欧州編」だ。「電気自動車に乗って欧州に行こう」はアイスランドとノルウェーなど北欧地域を電気自動車レンタカーでセルフドライブしながら通う商品で、充電所のある宿舎に泊まるのが特徴だ。「エコ欧州便」は自転車や汽車などの公共交通手段を利用して旅行し、プロギングをしながら、スイスなど豊かな欧州の自然を見物するコースだ。

人気観光地ではなく、不慣れな地域を少人数で行くことになるため、費用が高い。車の充電や公共交通機関の利用など、少なからぬ不便を受け入れる必要があり、海外旅行の再開時点の主力商品にはなりにくいという観測だ。だが「ポストコロナ」を迎えて旅行産業が再編される時点で、インターパークツアーは新しい「旅行の大物」に浮上した20~30代を獲得できる「差別化された商品」が必要だという判断から、環境にやさしい旅行テーマを出したという。

「公正」「常識」のように「環境にやさしい」という概念が若い世代を中心に、重要な生き方の一つとして定着している。特に生活の必須要素である旅行においても、積極的に環境保護を実践したり、最低限、環境保護価値を理解する企業の商品を消費したりする傾向が強まっている。今すぐ売り上げに寄与するのではなくても、環境保護に関心の高い企業として位置づけられるため、相次いで環境にやさしい旅行商品を披露している理由だ。

実際、ホテル検索・予約アプリ「ヨギオッテ」が最近、20~30代の顧客700人を調査した結果、78.8%が「環境にやさしい旅行商品ほど好感を覚える」と答えた。環境にやさしい旅行のために喜んで不便を受け入れ、費用をより支払っても環境にやさしい商品を買うと答えた人もそれぞれ55.8%と45.3%に達した。

ヨギオッテブランド室長のキム・ヨンギョン氏は「20~30代はエコ旅行について『不便な旅行』より『トレンディな旅行』を思い浮かべる。最近新しく浮上したプロギングのように、今後もエコ旅行を楽しむためのさまざまな手段が表れるだろう」と予想した。

ラグジュアリー消費を代表する特級ホテル市場でも、エコは重要な話題だ。プラスチックストローと使い捨てアメニティ(客室備品)の取り止めから始まった「エコフレンドリー」の風が、ホテル街に吹きつけて久しい。

済州新羅ホテル電気自動車サービス(写真提供=ホテル新羅)©MONEYTODAY

ラグジュアリーリゾート「Ananti」の場合、繰り返し使う容器に対する消費者の懸念を考慮して固体タイプのシャンプー「Cabinet De Poissons」を開発した。宿泊客の間で口コミで広がり、旅行キットの人気商品として注目されている。「済州・新羅(シルラ)ホテル」では宿泊客が電気自動車を利用できるサービスが好評を博しており、サービス規模を毎年拡大している。ロッテホテルは先月、グリーンカーとともに宿泊客に水を最小限に使用するエコ洗車サービス「カークリーンサービス」と客室を組み合わせた商品を出した。

ホテル業界関係者は「ブランドイメージが重要な特級ホテルにおいて、使い捨てアメニティ取り止めのような“環境にやさしいサービス”はリスクだった。だが最近になってこの認識が変わった。宿泊客が環境にやさしいことを重要視しているため、新しい顧客創出とホテルイメージ向上のチャンスになっている」と話している。

©MONEYTODAY

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