2024 年 2月 23日 (金)
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専門家「梨泰院惨事=人災」…大惨事となった3つの理由

  現場ルポ  

事故現場で現場を収拾する警察や消防救急隊員©news1

ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)の路上で起きた雑踏事故に関連して、専門家の間では「偶然起きた災難ではなく、十分に予防可能な“人災”だった」との指摘が出ている。

災害専門家は今回の事故について▽狭くて急な地形▽安全不感症▽不十分な事前対応――という複合的な原因による人災という見方が出ている。

草堂大学消防行政学科のソン・ウォンベ教授は「安全意識が欠如した市民と、行政機関の予防体系が崩れた総体的な人災」とみている。「一定面積に、統制されていない多数の人波が押し寄せ、次々に倒れて多数が亡くなった。左右に避難できない状況になり、被害が急激に拡大した」と説明した。

梨泰院駅一帯は、飲み屋とクラブが狭く、傾斜した路地に沿ってクモの巣のように絡み合っている。新型コロナウイルス感染拡散前も週末になると駅近くに集まった人波と車で、狭い道路が常に渋滞していた。

事故が発生した下り坂は幅が4メートル前後で、5~6人がかろうじて通ることのできる状況だった。

ルネ防災政策研究院のチョ・ソンイル院長(元ソウル施設公団理事長)は次のように指摘する。

「2005年に発生した尚州市民運動場の圧死事故当時も、進入路が傾斜しており、2人が死亡し、約70人が負傷した。梨泰院も狭く傾斜した路地という特性がある。警官隊を配置したとしても、狭い路地を中心に規制を施さなければ、意味はない。過去の類似事故を教訓にして対策を立てられなかった点がとても残念だ」

事故現場で現場を収拾する消防救急隊員ら©news1

新型コロナウイルス感染で抑えられていた心理が一度に噴出し、拡散した安全不感症も今回の事態の原因の一つとして指摘される。

29日夜、梨泰院は3年ぶりの「野外ノーマスク」ハロウィンを迎え、10万人に達する人が集まった。順天郷大学警察行政学科のオ・ユンソン教授は「祭りを楽しむために参加した若い人たちも、ここまで多くの人が集まるとは予想できなかっただろう」とみる。

◇防災当局の総力対応にも「悲劇」…「責任は誰が」

防災機関別に打ち出した安全対策が有効だったかどうかも確認する必要がありそうだ。

ソン・ウォンベ教授は「市・区庁・消防・警察間の行政ガバナンスがなされていないようだ。今回の惨事は、遺族や負傷者がどこを相手に損害賠償訴訟を請求しなければならないのかさえ不明確だ」と指摘する。

龍山区は31日までを「ハロウィン緊急対策推進期間」に設定し、梨泰院一帯の防疫・消毒、食品接客業者指導点検、主要施設物安全点検、騒音特別点検、不法駐・停車取り締まり、清掃対策などを進めた。

龍山警察署も今回のハロウィンフェスティバルに人出約10万人が集まることに備え、事故2日前に「梨泰院総合治安対策」を発表した。31日までに犯罪脆弱場所に警察力200人以上を配置するという内容が骨子だ。梨泰院隣接地区隊、交番夜間パトロールチームの人員も普段の1.5倍に増員したが、惨事を防ぐには不十分だった。

ソウル市立大消防防災学科のイ・ヨンジュ教授は「果たして200人はどんな役割をしていたか。秩序維持、突発状況対処、監視・監督、犯罪予防のように現場で対応した職務が、果たして適切だったのか、詳しく見なければならない」と話した。

30日午前、事故現場がまだ整理されていない様子だ©news1

事故が発生した29日、光化門(クァンファムン)で数万人が集まったデモがあり、警官隊が大勢投入された。一方、梨泰院には当日、過去の人出規模に基づき、警備態勢は普段並みになっていたようだ。

東国大学警察行政学科のクァク・デギョン教授は「安易に対処したという指摘があり得るが、こうした事故を予見し、人員を分散するのは簡単ではない」と考える。韓国刑事・法務政策研究委員のスン・ジェヒョン氏は「行事には主管する者がいて、安全対策が可能だ。だが、各種記念日の集いの場合、このような措置が皆無だ。1次的な秩序維持は警察の役割にならざるを得ない」と強調する。

専門家は、新型コロナウイルス感染の拡散傾向が減り、地域の祭りなどで同様の惨事が発生する危険が高いといい、早急に防止策を策定すべきだとの声を上げる。

チョ・ソンイル院長は「移動の動線を指定するなどで混乱を事前に防止していたら事故を予防できたはずだ。大規模な圧死事故が発生すれば、施設や手すりが崩れたり、火災・爆発が連鎖的に発生したりするため、総合的な再発防止対策が必要だ」と訴える。

スン・ジェヒョン氏は「市民の集いは統制できないが、出入り誘導など秩序維持のための措置は必須だ。政府、地方自治体、関係捜査機関は今回の惨事の原因を迅速かつ客観的、透明性を持って伝える必要がある」と求めた。

©news1

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