2024 年 9月 15日 (日)
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大ヒットの韓国・旅行予約サイトが構造調整…いったい、何があった?

ヤノルジャのイ・スジン総括代表(c)KOREA WAVE

「ユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)」への躍進に続き、大規模な資金調達に成功して勢いに乗っていた韓国旅行予約サイト運営の「ヤノルジャ」が、希望退職者を募っている。相次ぐ事業拡張とM&A(合併・買収)推進で増えた費用を、人員削減などの構造調整で埋めるという戦略だ。

「ヤノルジャ」と子会社の「ヤノルジャクラウドコリア」は18日、電子メールで、社員を対象に希望退職プログラムを実施すると伝えた。ヤノルジャ側は「ビジョン達成のために外部環境の変化に柔軟に対処できる組織構築が必要だと判断した」と説明した。

◇パンデミックでも成長曲線

2005年に発足した「ヤノルジャ」は、宿泊仲介サービスで利用者から大きな反響を得て、着実に成長曲線を描いた。2015年にパートナーズインベストメントから100億ウォン(1ウォン=約0.1円)のシリーズA投資を受け、2017年にはスカイレイクインベストメントと亜洲IB投資からそれぞれ600億ウォン、200億ウォンの追加投資を受けた。

2018年にシリーズDを終えた同社は、翌年、ユニコーン企業に浮上した。一昨年には、ソフトバンクビジョンファンドから17億ドルの投資を受けた。当時、業界内外では「デカコーン(企業価値100億ドル超の未上場企業)」という評価も出た。このため、新規株式公開(IPO)を推進するだろうとの見方も相次いだ。

さらに、パンデミックにもかかわらず好業績が続いた。2019年から昨年までの「ヤノルジャ」の売り上げは、2449億ウォン、2888億ウォン、3748億ウォン、6045億ウォン――だった。同社は2020年に黒字(109億ウォン)に転換した後、一昨年の営業利益は537億ウォンを記録し、勢いに乗っていた。

◇財務負担が増加

「ヤノルジャ」は攻撃的なマーケティングを展開すると同時に、「インターパーク」の買収とクラウド事業強化などで財務的負担を抱えることになった。昨年、「ヤノルジャ」が執行した広告宣伝費は409億ウォンで、前年比45%増加した。人件費はなんと1972億ウォンで、1年間で112%増えた。営業費用は一昨年より120%近く増え5984億ウォンだった。

今年上半期の営業費用は3505億ウォンで、昨年同期比53.4%増加した。広告・人件費は218億・759億ウォンだったが、これは前年比でそれぞれ64.5%、30.0%増えた数値だ。その結果、1~6月の売り上げは3220億ウォンで33%増加したのに対し、営業損失は284億ウォンとなった。

このような状況に「ヤノルジャ」は勤務体制を変えた。パンデミック以後、常時リモート勤務制を維持してきたが、今年初めに週3回会社に出勤するハイブリッド勤務制を導入した。業務効率性を向上させ、収益性を引き上げるという戦略だ。

◇人員削減→コスト効率化

「ヤノルジャ」は今回の希望退職でスリム化させ、費用効率化を図りながら悪化した内部指標を改善するという方針だ。希望退職する社員には給与4カ月分または有給休暇3カ月を補償策として提供する。申請期間は来月6日までだ。

(c)KOREA WAVE

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