ソウル市城東区(ソンドンク)聖水洞(ソンスドン)。2月26日、地下鉄2号線聖水駅とトゥクソム駅、水仁盆唐(スインブンダン)線ソウル森駅一帯の街角には人々の目を引くカフェ、ベーカリー、ダイニングバーなど各種F&B売り場が並んでいる。
金曜日や土曜日に比べて相対的に閑散とした日曜日の午後の時間であるにもかかわらず、有名飲食店前や即席写真館前は順番待ちの客が列をなしており、古い工場を改造した大型カフェの中では、客同士互いの顔色をうかがいながら座る席を探していた。
聖水洞商圏の特徴は何よりもポップアップストアをすぐに見つけることができるという点。ポップアップストアは短期間運営して閉店する臨時売り場であるため、短い時間で口コミが広く広がるよう、SNS活動が活発な若年層の流動人口が多いところに店を開く。
ポップアップストアが多いということは、それだけ、その地域が「ホットプレイス」として認められている、という意味だ。
◇ポップアップストア市場の激戦地
一帯で最も関心が集まるポップアップストアは「ディオール聖水」だ。
パリのモンテニュー街30番地のブティックを再現したこの売り場の前には、写真を撮るために順番を待つ人たちが列をなしていた。この前では韓国語だけでなく中国語や日本語も聞こえた。
ギャラリーとカフェが結合したポルシェのポップアップストア「ポルシェナウ聖水」もこの街にある。ほかにも各種食品、ファッションブランドが聖水洞にポップアップストアを運営している。
米国に本部を置く世界最大の総合不動産サービス「クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド」は、昨年第4四半期(10~12月)のリテール市場報告書で次のように分析している。
「高速に成長するポップアップストア市場の激戦地として浮上しているのは断然、聖水だ。新型コロナウイルス感染の余波でソウル主要街頭商圏の流動人口は2019年に比べ2022年は約26%減少したが、聖水はむしろ14%増加した」
聖水は新鮮なコンテンツを探すMZ世代の流入が特に目立ち、IT企業メタから名品ブランドディオールまで多様な業種が彼ら彼女らをターゲットに聖水にポップアップストアをオープンした。このため聖水にはポップアップストア専用の賃貸スペースもある――報告書はこう指摘している。
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