
韓国の建設業界がイスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスの衝突に頭を抱えている。特にサウジアラビアの超大型建設プロジェクト「ネオムシティ」に参加している建設会社はサウジの「パレスチナ支持」で戦線が拡大することを強く懸念している。
ハマスは最近、イスラエルをミサイルで攻撃し、民間人や外国人観光客数百人を拉致した。イスラエルも報復攻撃し、戦闘は激化の様相を見せている。
建設業界によると、現地で活動している韓国の建設会社は少数だが、隣接するサウジやイラクは中東での活動の主舞台だ。ひとまずは静観の構えだが、戦争の余波で金利と原材料価格の上昇は避けられない見通しだ。
現代(ヒョンデ)建設は今年上半期、6兆5544億ウォン(約7245億円)規模のサウジの石油化学プラント「アミラル」プロジェクトの超大型事業を受注した。下半期には、ネオームシティトンネルプロジェクトや複数のガス田開発の受注を狙っている。
サムスン物産と大宇(テウ)建設、サムスンエンジニアリング、ハンファ建設部門など主要建設会社もサウジとイラクに進出している。海外建設協会の海外建設情報サービスによると、今年8月までの中東地域での受注件数は27件、受注額は74億973万ドル(約1兆1082億円)に上る。
懸念されるのはサウジの出方だ。ビン・サルマン皇太子がパレスチナ支持を名言したことで、イスラエルを全面的に指示する米国との対立が深まれば、米の友好国である韓国の企業も火の粉を浴びかねないからだ。直接的な影響はなくても現地での事業が一部支障を来すことは避けられない情勢だ。
(c)MONEYTODAY