「最近は気候危機、人工知能、難民、人種差別などの問題が台頭しています。このようなテーマを扱う小説を書いてみてはいかがでしょうか?」
韓国ネット大手ネイバーの対話型人工知能(AI)サービス「クローバーX」に「今年、新春文芸(新人作家を発掘する文芸大会)に応募したいが、どんなテーマの小説を書いてみるのが良いか?」と質問すると「新春文芸に当選した小説を調べれば、社会問題を扱った作品が多い」として出てきた返事だ。
グーグルのバード(Bard)も同じ質問に似たような答えを出した。「社会的問題やイシューを扱う小説はどうか」という。
バードは「社会関心と問題意識を基にした小説は新鮮で衝撃的な感じを与え、審査委員の目を引くことができる」とAI、環境問題、格差などの素材に言及した。そのうえ「このようなテーマに限らず、自分の関心事と才能を生かして自由に小説を書いてみるのも良い。重要なことは小説のテーマと内容が独創的で、読者に深い感動を与えなければならないということ」と話した。
新春文芸に挑戦することは誰もが夢見ることだが、それだけ競争も激しい――バードはこういう視点も示した。多くの作品を読み、自身の考えと感情を文章で表現する練習をしっかりしろ、との助言も与えた。
AIプラットフォームのルートンは「読者に強い印象を与えられる主題を選択することが重要だ」として、▽成長と変化▽家族と愛▽社会問題と人権▽過去と現在の対立▽理想と現実の衝突――などのアイデアを提案した。さらに「頑張って良い作品を完成してほしい」と激励した。
マイクロソフトのビング(Bing)は、出所を明らかにした回答とともに逆に質問を投げかけ、注目を集めた。
ビングは「新春文芸は毎年多様な報道機関が主催しているので、各報道機関の性向や審査基準を考慮することも重要だ。あなたが望む報道機関の新春文芸に合う小説のテーマを推薦することができる。もし助言が必要なら報道機関の名前を教えてほしい」と話した。
ある報道機関の名前を入力すると、昨年の新春文芸総評記事を根拠にどんな内容の作品が多く応募されたのかを伝えた。
このように生成型AIは質問を入力してからわずか数秒で返事をした。年に一度だけの機会を前に、作家志望者たちには、これら生成型AIの活用がまさに救世主のように感じられるかもしれない。
しかし、これはあくまで参考用に過ぎない。
現在、国内外では生成型AIが生産した作品に著作権を付与できるかについて議論の真っ最中だ。文化体育観光省はAI-著作権関連活用ガイドラインを年内に発表する。
ある報道機関は、今年の新春文芸募集要項に「応募作に生成型人工知能を活用した事実が確認された場合、当選が取り消されます」とあらかじめ記載したりもした。
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