中国政府が今年に入ってeスポーツ「リーグ・オブ・レジェンド」の公式中継を中断した。韓国の参加チームが台湾を「国」として言及したことへの反発が原因とみられる。チームは謝罪文を掲載したが、今度は台湾側の反感を買うなど悪循環に陥っている。
中国のゲーム動画配信大手「虎牙(HUYA)」は2018年から国内eスポーツリーグ「リーグ・オブ・レジェンド・チャンピオンズ・コリア」の公式中国語中継を独占してきたが、今年から中断している。
香港の有力英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストはこれについて「業界関係者たちは韓国のチームを巡る騒ぎと関連があるとみている」と報じている。
それによると、韓国を拠点に活動するチーム「Gen.G」が昨年12月20日、公式フェイスブックに「韓国椅子専門ブランドがGen.Gと開発したゲーミングチェアを発売する最初の国に台湾を選定した」と掲載した。台湾を「国」と見なした表現が騒ぎになり、すぐに削除して「中国の主権と領土の完全性を尊重し、支持します」と謝罪した。
ところが「中国の主権」「領土の完全性」などの表現を使ったことで、今度は台湾の支持層が反発した。Gen.Gは「公正で正義的なオリンピック精神を価値の中心に置き、特定の政治的見解や理念関連の明確な中立性を守っていこうと思う」と再び釈明に追われ、それがまた中国側の反発を招いている。
同紙は「謝罪したり、それを撤回したりしたことで事態が悪化した。中継の中断はeスポーツの収益性に打撃を与えるだろう」と見ている。
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