「これ以上、遅れを取らないうちに、やってみようという気持ちが強かった」――「ブレイブタートルズ(Brave Turtles)」のケビン・キム(Kevin Kim)代表。
「幼いころから好奇心が旺盛だった。グーグルに勤めている間も、いつも創業を考えていた」――「XL8」のチョン・ヨンフン代表。
ネイバー本社グリーンファクトリーでこのほど、「シリコンバレーの韓国人」の集まりがあり、「スタートアップの聖地」である米シリコンバレーで活動する韓国人が一堂に会した。
スタートアップアライアンス(Startup Alliance)主催で開かれたこの催しには、ブレイブタートルズ(Brave Turtles)、XL8といった、シリコンバレーで創業した韓国人が参加し、創業経験とノウハウを共有した。
◇常にプランBを考える
ブレイブタートルズのケビン・キム代表が創業を決心したのは2016年だ。
当時、キム代表はロサンゼルスのオーティスカレッジ(Otis College)を卒業し、モーショングラフィックとCG、アニメーション、映画、VFX、ゲーム業界で経歴を積んでいた。
「大学を卒業して『王座のゲーム(Game of Thrones)』などの大型プロジェクトに携わるなど、ゲームに対する熱望がいつもあった。これ以上、遅れを取らないうちに、やってみようという気持ちで、ロサンジェルスに戻った。友人たちの前で2時間以上、プレゼンテーションをすると、肯定的な評価を受け、友人とも意気投合した」
ブレイブタートルズという社名をつけた。ただ、設立までは6年かかった。問題はチーム構成だった。
ケビン・キム代表は「会社設立を前にして、安定した職業とスタートアップの間で悩むチームメンバーが現れた。チームのメンバーも会社も、最も苦しい時間だった。スタートアップは、のこぎりの歯が一つだけ欠けてもまともに事が運ばない。常にプランBを考え、厚い人的ネットワーク作りをしなければならない」と強調する。
6年という長いチーム構築の時間に耐えたブレイブタートルズは昨年ようやく軌道に乗った。
昨年11月、100万ドル規模のプレシード投資(シードステージよりもさらに早い段階での投資)を誘致した。
今年11月のリリースを目標に現在、メタバースゲームプラットフォーム「ランウェイZ」を開発中だ。
◇スタートアップが生き残る方法
チョン・ヨンフン代表は、コロンビア大学でコンピューターの工学博士課程を終え、グーグル本社のサーチチームでマネージャーを務めた。
人工知能(AI)を利用した機械翻訳スタートアップXL8を設立したのは2019年だった。
創業のきっかけは単純だ。
「元々、好奇心が旺盛で、幼いことから創業したかった。グーグルで過ごしつつ、いつも創業を考えていた」
チョン代表は4年間のグーグルでの経験について、次のように語る。
「技術的に驚くべき部分はなかった。ほとんどが予測可能なレベルだった。だが、文化的には学ぶ点が多かった。水平的な意思決定と合理的な論理に基づいたプロジェクト進行、エンジニア中心の文化などが良かった」
チョン代表は、大企業との競争でスタートアップが生き残る方法についても語った。具体的には、グーグルやネイバーなど大企業がAI翻訳を先取りするなか、スタートアップが生き残るために、カウンターポジショニング、価格競争、市場細分化の3つの方法があるという。
このうち、XL8が選択したのは市場細分化だ。世界で50社を超えるAI翻訳会社の中で唯一、メディアに特化している。同社は現在、ネットフリックスに下訳のサービスを提供している。
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