――VR技術などは、人々の働き方をいかに変えていくのか。
コントリ氏 ヴァルヨは企業のデザイン作業を完全に変化させています。この分野で世界中の企業が、新しい完全没入型デザイン作業方式に転換することに集中してきました。自動車製造メーカーの80%以上が、作業中にヴァルヨのヘッドセットを使い自動車を設計しています。
韓国第2位の自動車メーカー「起亜自動車(KIA)」は、ヴァルヨ製ヘッドセットの最高級ユーザーです。実際に最近も起亜ドイツ・フランクフルト支社でヘッドデザイナーと4時間に及ぶ会議を開き、起亜のデザイナーたちが世界中で常にコラボできるようにしました。これまでは世界中の支社から月に1度、韓国本社にデザイナーが集まり、すべての状況について検討する必要があったものが、約2年前からVRを使用する方式に変更されました。そのため、月に1度ではなく、1週間に1度、仮想現実の中でデザインの検討を始めました。回数を4倍に増やしたのにもかかわらず満足度は上昇し、週に2回、その後は3回と増えていくうちに、ある時、彼らはもう、韓国チーム、ドイツチーム、米国チームではなく、「ひとつのチーム」として働いていることに気づきました。
つまり、それぞれのチームが一緒に課題を決定し、各地域で最も適した自動車作りに参加することになったのです。今、彼らは米国市場や欧州市場に完全にバージョンを最適化し、デザインの過程で文化的側面も考慮できるようになりました。これはVR没入型技術が、産業現場にもたらした革新的な変化です。
――ヴァルヨの技術は、企業の教育訓練の方法に関するイノベーションで注目されている。
コントリ氏 ヴァルヨはすべての状況を、人の目で見る水準の解像度で具体化する技術を持っています。このような技術をもとにして、非常に繊細な現実の状況を複製することが可能であり、企業の教育訓練にも適しています。このような没入型技術を使えば、産業現場のさまざまな条件と環境を容易に経験することができます。また必要なだけ、実行と訓練を繰り返すことができます。システムのコストもお手頃です。これは非常に厳しい訓練と教育が必要な現場の人々にとって、その作業方式を変化させます。そしてこのような変化が他のすべての学習プロセスに広がっています。
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