2025 年 6月 14日 (土)
ホーム経済流通Tim Hortons、韓国初の直営店を閉店…苦戦続く外資系消費財ブランド

Tim Hortons、韓国初の直営店を閉店…苦戦続く外資系消費財ブランド

2023年12月、ソウル・新論峴駅にオープンしたティムホートンズ(c)news1

グローバル市場で成功を収めた外資系消費財ブランドが、韓国では相次いで苦戦を強いられている。日本や北米などで高いブランド忠誠度を誇るコーヒーやビューティー分野の企業も、韓国市場では収益性の低下により撤退や縮小を余儀なくされるケースが増えている。

カナダ発の大手コーヒーブランド「ティムホートンズ(Tim Hortons)」を韓国で展開するBKR社が、2023年4月にオープンした仁川・青羅(チョンラ)店の営業を6月1日で終了した。これは韓国進出後初の直営店舗の閉店で、開店からわずか1年あまりでの撤退となった。

業界では、この決定の背景には収益性の問題に加え、競争が激化する国内コーヒー市場の環境など複合的な要因があると分析している。ただし、ティムホートンズ側は「より適した立地を模索するための決定であり、仁川地域で新たな出店場所を検討中」と説明した。

“コーヒー界のアップル”と呼ばれる米ブルーボトルも状況は芳しくない。2019年にソウル・聖水洞(ソンスドン)に1号店を出店して以来、店舗を拡大してきたが、固定費の負担と激しい競争の中で収益性の確保に苦しんでいる。

実際、ブルーボトルコリアの2024年の売り上げは311億ウォンで前年比17%増加したものの、営業利益は89%減の2億ウォンにとどまり、当期純損失は11億ウォンとなり初の赤字に転落した。

このような困難は食品業界に限られた話ではない。世界的なビューティーリテーラー「セフォラ(Sephora)」も2019年にソウル・三成洞(サムソンドン)のパルナスモールに出店したが、韓国のH&B市場で圧倒的なシェアを誇る「オリーブヤング」との競争に敗れ、わずか5年で撤退した。セフォラコリアの2023年の売り上げは137億ウォンだったが、営業損失は176億ウォンに達した。

業界では、外資系ブランドが韓国市場で苦戦する背景として、急速なトレンドの変化と特殊な流通環境を挙げている。韓国市場ではSNSを通じた口コミによるブランドイメージの変動が激しく、消費者の嗜好も日々変化している一方、外資系ブランドは本社主導のグローバル戦略を固守し、現地市場の動向に柔軟に対応できていないという指摘だ。

さらに、コーヒーやビューティーなど主要消費財市場では、既に韓国ブランドが強固な流通網と優れたマーケティング感覚を武器に主導権を握っているため、外資系ブランドが参入しても価格やアクセス、認知度の面で選ばれにくい構造になっている。

流通業界関係者は「韓国市場はグローバルブランドにとって洗練された消費者層を抱える一方で、競争が激しく変化にも敏感だ」とし、「現地市場に即した柔軟な対応と迅速な意思決定が求められる」と述べた。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular