動画投稿アプリのTikTok(ティックトック)を運営する「北京字節跳動科技」(バイトダンス)の企業価値がなんと405兆ウォン(約39兆円)に達することがわかった。TikTokはグローバルダウンロード回数が30億を突破し、すでにフェイスブックの競争相手となっている。
北京字節跳動科技は、アリババ集団傘下の金融会社アント・グループ(約180兆ウォン=約17兆3600億円)、宇宙開発スタートアップの米スペースX(約115兆ウォン=約11兆900億円)を抜いて、グローバルで最大のユニコーンの座についた。
中国の調査会社、胡潤研究院は20日、グローバルユニコーンが今年、前年より472社増えて1058社になると発表した。グローバル証券市場で今年、技術株が脚光を浴び、非上場企業のユニコーンも同様に急増した。その世界最大手がバイトダンスで、2位アントグループ、3位スペースXと続く。
中国の10大ユニコーン企業は次の通り。
・北京字節跳動科技(バイトダンス)
・アントグループ(フィンテック)
・アリババ集団傘下「菜鳥網絡(ツァイニャオネットワーク)」(物流)
・京東集団傘下「京東科技(JDテクノロジー)」(IT)
・ネット大手騰訊控股(テンセント)の「微衆銀行(We Bank)」(フィンテック)
・中国発の新興アパレル「SHEIN(シーイン)」(電子商取引)
・SNSや電子商取引を手掛ける「小紅書(RED)」
・ドローン世界最大手DJI
・和風イメージの無糖炭酸飲料メーカー「元気森林(GENKI FOREST)」
・画像認識システム大手「商湯集団(センスタイム)」(人工知能)
ユニコーン企業を国別で見ると、米国が487社で1位、中国は301社で2位。米中のユニコーンを比較すると、米国はソフトウェア、フィンテックの割合が3分の1、一方の中国は電子商取引、ヘルスケア、人工知能分野が3分の1を占めた。また、両国のユニコーンの半数以上が、米国ではサンフランシスコとニューヨークの2都市、中国では北京と上海の2都市に、それぞれ密集していることもわかった。
中国ユニコーンの特徴の一つは、親会社が育て上げた企業が多かったという点だ。代表例がアリババの子会社アントグループだ。ほかにも菜鳥網絡(アリババ)、京東科技(京東集団)、微衆銀行(テンセント)は、すべて大手ネット企業の子会社だ。
また、中国の10大ユニコーンのうち、3社が米国の制裁対象にされるほど、中国内外での影響力は大きい。2020年8月にトランプ米大統領(当時)がTikTok使用禁止を命じたが、今は解除されている。米財務省は今月10日、商湯集団(センスタイム)の顔認証技術が中国の少数民族ウイグル族を監視し、人権侵害に使われていると問題視して制裁リストに載せた。数日後にはDJIも同じ理由で投資ブラックリストに追加している。
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