韓国で略取・誘拐といった犯罪の手口として、SNSで信頼・好意を悪用して未成年者を手なずけていく「オンライン・グルーミング」が増えている。警察庁のデータによると、2018年から2022年までの5年間に起きた略取や誘拐の発生件数は計1167件に達している。
「略取・誘拐犯罪」は他人を暴行・脅迫したり、だましたりして支配し、自由を侵害する犯罪をいう。以前は主に被害者と面識のある者が犯行に及ぶケースが多かったが、最近は成人がSNSを通じて子どもに接近し、親交を深めた後に実行することが増えている。
今年2月にはSNSで女児(11)に近づき、5日間連れ歩いた56歳の男性が警察に捕まった。男性は女児に「おいしいご飯をおごってあげる」「仲良くしよう」などのメッセージを送っていた。その後、家出を勧め、自分が1人で住む忠州市(チュンジュシ)の倉庫に引き込んでいた。
2021年10月には、京畿道(キョンギド)城南市(ソンナムシ)で、SNSで女子中学生のふりをして9歳の女児を誘拐した20代男性が摘発される事件もあった。この男性もSNSで数カ月間、女児と親交を深めていた。
慶煕大法学専門大学院(ロースクール)のチョン・ワン教授は「児童・青少年は他人に対する警戒心が相対的に低く、心理的に支配されやすい。家庭や学校で子どもたちをしっかりと教育すべきだ」と警告する。
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