2024 年 12月 23日 (月)
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[KWレポート] MZ世代はなぜ「ショート」にハマるのか (3)

米国を中心に世界で革命

「TikTok」ロゴ(AP)©NEWSIS

平均15秒から最大10分を超えない「ショートフォーム」(短い動画)コンテンツが、韓国のMZ世代の間で新たなトレンドとして浮上しています。なぜ彼らは「ショートコンテンツ」に向かうのか。その実情を探りました。(シリーズ3/4)

MZ世代は、長い動画を退屈だと感じる。短い中でも「起承転結」が盛り込まれ、スマートフォン比率に最適化された縦型動画を好む。

主要消費層であるMZ世代を中心にショートフォームがトレンドに浮上すると、SNSプラットフォームを運営する巨大テクノロジー企業(ビッグ・テック)は、ショートフォームを主力事業とした。各種企業もショートフォームを活用したデジタルマーケティングに邁進している。

◇ショートフォーム一つでSNS勢力図塗り替え

ショートフォームコンテンツは、中国の北京字節跳動科技(ByteDance=バイトダンス)が運営する「TikTok」が主導した。以後、米国を中心に世界でショートフォーム革命を起こし、MZ世代の遊び手段として浮上。SNSプラットフォームの勝ち組と位置づけられた。これを受け、YouTubeやMeta(旧フェイスブック)などの大型SNSプラットフォームも、ショートフォームコンテンツ戦争に参入した。

Meta(Meta)=旧Facebook=は今年7月、Instagramの短尺動画機能「リール(Reels)」に利用者がより簡単にアクセスできるよう、Facebookのホームページデザインをがらりと変えた。

Metaのザッカーバーグ最高経営者(CEO)は「リールを通じて、さらに収益を上げる方法を探し、それに投資することが会社の最優先課題だ」と言及するなど、TikTokを意識した発言が目立った。

最近、1周年を迎えたYouTube「ショーツ(Shorts)」の成長ぶりも著しい。YouTubeによると、世界のショーツ再生数は1日平均300億回で、当初の4倍増となった。視聴者は毎月15億人に達する。

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◇TikTok「今年の広告15兆ウォン」予想

TikTokはショートフォームフォーマットを通じて主要消費者層であるMZ世代の心をとらえ、GoogleやMetaなどを脅かす強力なSNSプラットフォームとして浮上した。

米ブルームバーグ通信は市場調査会社「eMarketer(イーマーケター)」のデータを引用し、TikTokの広告売上高が今年、15兆ウォン(約120億ドル)を記録するだろうと報じている。昨年が5兆ウォン(約40億ドル)だったことを考えれば、高い成長率だ。

これはYouTube、Metaなど米大手SNS企業にはまだ及ばない水準だが、Twitter(約6兆3000億ウォン)とSnapchat(約5兆3000億ウォン)の売り上げ合算額を上回る。

今年第1四半期のGoogleの持ち株会社「アルファベット(Alphabet) 」による電話会見では、TikTokがYouTubeの強力なライバルになり得るという意見が提起された。一方で、アルファベット側は「ショーツ広告はテスト段階」としている。Metaの第1四半期の電話会見でも、TikTokがFacebookにどのような影響を及ぼしているのかという質問が出た。

アプリデータ分析業者「Data.ai(旧App Annie)」によると、今年1~3月期のユーザー1人当たりの平均月間視聴時間で、TikTokはYouTubeを上回った。TikTokの動画を編集するアプリ「CapCut(キャップカット)」も業績を伸ばしている。

韓国のビッグ・テックもショートフォームに関心を傾けている。

ネット大手カカオは今年6月、「カカオユニバース」を発表し、ポータルサイト「Daum」を通じてショートフォームコンテンツを導入するという計画を明らかにした経緯がある。ネット大手ネイバーは2020年4月、ショートフォーム動画エディター「ブログモーメント」を披露し、ショッピングライブを通じてショートフォーム方式を導入した。

(つづく)

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