2025 年 9月 27日 (土)
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[KWレポート] AI面接官が選ぶ“新基準”の「仕事ができる人」 (5)

MIDAS INのAI能力検査の戦略ゲーム例(c)MONEYTODAY

◇AI面接に何度も落ち、無料プログラムで逆転就職

韓国のある社会人男性は就職活動中、大手企業に応募したものの、AI(人工知能)面接で何度か落ちた経験があり、大きな挫折感を味わった。

体系的にAI面接に備えるため、有料プログラムを探していたところ、偶然見たブログでソウル市が就職活動中の若者に無料で提供しているAI能力検査プログラムを知った。男性はその無料プログラムを活用して繰り返し練習し、AI能力検査の結果を面接時に積極的に活かした。

AI能力検査で明らかになった自分の強み――計画力、目標追求性、優先順位の設定、および戦略的な業務配分能力などを、面接で最大限アピールした。

「『予期せぬ状況への柔軟な対応戦略』という面接質問が出た。AI能力検査での経験と結果を活用し、さまざまなシナリオに基づいた対処法を用意して強調したことが、就職に非常に役立った」

男性は現在、HD現代重工業に就職し、ESG(環境・社会・ガバナンス)関連業務を担当している。

生成AIによるイメージ(c)news1

◇最大10回まで無料、AI面接時代の“勝てる練習法”

性格や業務適性をAIで判断するAI面接が就職のトレンドとなる中、ソウル市のAI面接体験・能力検査プログラムは就活生の間で人気を集めている。

AI面接対策の有料プログラムは多いが、若年層の求職者にとっては費用の負担がネックだ。ソウル市のプログラムは無料で、費用を気にせず体系的かつ繰り返しAI面接の準備ができる。

ソウル市によると、39歳以下のソウル在住の若者は「性向検査」「映像面接」「戦略ゲーム」で構成されたAI面接体験と能力検査プログラムを無料で利用できる。このプログラムは、若年層の雇用難やAI活用の就職トレンドに対応し、就職への“はしご”の役割を果たすことを目的に2021年から導入された。

2025年は、1人あたり、月に利用できる回数を昨年の2倍に増やし、最大10回まで能力検査が可能となった。年間120回分のバウチャーで、繰り返し学習が可能というわけだ。

プログラムに参加する求職者には、159社の面接過去問約1万件が提供され、AI面接の仕組みから実践的なテクニックまで学ぶことができる。

検査受験後には、個人ごとの強み・弱み、能力レベル、職種との適合度などを客観的に把握できる詳細な分析レポートが提供される。また、自己紹介書の書き方、対面面接の準備法、個別の課題診断や弱点克服戦略、能力別に適した職種の紹介など、専門的なコンサルティングサービスも受けられる。

さらに、AI能力検査を導入している企業の分析や、企業ごとの対応戦略、結果レポートの活用法などを扱う特講や採用説明会にも参加可能だ。

このAI面接体験・能力検査プログラムを受講して就職に成功した体験談が口コミで広がり、毎年参加者が増え、満足度も高まっている。

利用者数は2023年に1万3073人、昨年は1万5506人に増加し、今年は8月末時点で1万1733人が利用。満足度(5点満点)は2023年の4.70点から2024年は4.79点に上昇した。

(c)MONEYTODAY

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