
◇急成長する「デジタル・ヘッドハンティング」
2~3年前に「デジタル・ヘッドハンティング」が登場した。
デジタル・ヘッドハンティングとは、データやAI技術を活用して採用候補者を検索・選抜する手法を指す。韓国のヘッドハンティング企業「ユニコサーチ(UNICOSEARCH)」もこれを導入している。同社のキム・ヘヤン代表は次のような話をした。
「デジタル・ヘッドハンティングを積極的に活用したおかげで、顧客企業の要望により迅速に対応できるようになった。企業が採用を依頼してから5営業日以内に適切な候補者を推薦できる割合が60%を超えた」
デジタル・ヘッドハンティングの強みはスピードと予測にある。ビッグデータとAIに基づいて人材とポジションをマッチングでき、従来なら2~3週間かかっていた数百万人分のデータ検索を数十分で終えられるようになったという。
キム・ヘヤン代表は「(ビジネスネットワークサービスの)リメンバー、LinkedIn、ニュース記事などからAIが情報をクロールして転職候補者群を収集し、その中でプロフィールを更新している人をチェックすることで、転職意思を予測する」と説明した。
◇履歴書スクリーニングから面接まで、AIが担う“次世代採用”
採用市場におけるAIの活用はますます拡大している。リメンバーが韓国企業の採用担当者・管理者1088人を対象に実施した「2025年上半期 採用トレンド調査」によると、2025年に「AIベースの採用」を新たに導入すると答えた割合は26.3%に達した。大量応募者の管理やデータに基づいた公正な採用が、AI活用の強みとして挙げられている。
2024年8月時点で、採用過程にAIを導入している220社のうち、51%が「履歴書のスクリーニング」に、28%が「候補者評価(AI面接)」に、24%が「求人の公告作成」にAIを活用しているという結果(複数回答可)がリメンバーの調査で明らかになった。AI活用の効果としては、採用スピード(31%)、採用精度(22%)、コスト効率(21%)の順に多く挙げられている。
一方で、ITサービス企業も次々とAI採用サービスをリリースしている。
SK AXがSKテレコムと2024年に共同開発したAI採用サービスは、同年下半期からSK AXをはじめ、SKテレコムやSKブロードバンドなどで活用された。書類審査から筆記試験、面接、合否通知、オリエンテーション案内まで、生成AIが活用されている。LG CNSも最近発表した企業向けエージェント型AIプラットフォーム「AgenticWorks」の紹介の場で、採用に特化したAIエージェントの事例を公開した。
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