2024 年 11月 26日 (火)
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[KWレポート] AI面接の時代 (3)

求められる就活生への支援

今月22日、仁川市は市民を対象に人工知能(AI)就職支援システム体験教育を無料で開催すると発表した©news1

韓国で大手企業の上半期の募集が始まり、就活生の苦悩が深まっています。採用試験に「非対面面接」「人工知能(AI)面接」が取り入れられ、志願者の心理的負担が増しているようです。最前線を取材しました。(最終回)

新型コロナウイルスの感染拡大が、社会のデジタル化を促す。デジタルプラットホームの進化により、非対面面接も増加の一途をたどり、就活生も避けられない流れとなった。

だが、それは就活生が背負うことになる新たな重荷に変わる。

非対面やAI面接が増加するにつれ、就活生への支援を考える必要があるという声も上がり始めた。社会全般にわたり、非対面が「ニューノーマル」と位置づけられつつあるなかで、就活生個人の努力だけでは就職活動の負担を解決できないという配慮からだ。

逆に、こうした就活生の負担が、非対面の流れを制約する要因になり得る、という専門家の指摘もある。

韓国・中央大社会学科のイ・ビョンフン教授は次のような見解を示す。

「公正性にはさまざまな意味があり、その中でも、機会の公正性が何より重要だ。非対面というトレンドのなか、経済的な環境が恵まれているか否かによって就活の成果が左右されるとすれば、それは問題だ。この点を改善できれば、非対面面接は思惑通り、客観性と公正性を担保できるはずだ」

採用の専門家が就活生に勧めるのは、非対面面接の練習を繰り返すこと。そしてプログラムそのものに慣れることだ。非対面面接をパスして就職に成功した先輩たちも、その重要性を強調している。

昨年、AI面接選考に合格して、就職を果たしたリさん(25)はアドバイスする。

「質問別にテンプレートがある。例えば『仕事のできない同僚とどう協力するか』という質問があれば、特定の回答枠を作って備える。こういう類型の質問があることを知らずに即席で答えていたら、非常に困惑しただろう」

就職コンサルティング専門家のチャン・ウクヒ氏は「最初はシステムに慣れないかもしれない。完全に同じではないが、基本的なプロセスは各企業で共通している。最近は中央省庁や地方自治体が、関連するサービスを提供しているため、機械に適応することが何よりも重要だ」と強調する。

実際、自治体の中には、求職者が非対面に慣れることができるよう支援に乗り出すところもある。

雇用労働省慶尚北道(キョンサンプクト)亀尾(クミ)支庁は今月、求職者なら誰でも利用できる「AI面接練習場」を開設すると表明した。また、光州(クァンジュ)青年センターも「AI・VR模擬面接体験館」を運営し、面接の機会や通信機器を提供している。

(おわり)

「AI面接の時代」はNEWSISのチェ・ヨンソ記者が取材しました。

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