
韓国での人口の崖による兵役資源の急減は、国家安全保障に深刻な危機をもたらしている。MONEYTODAYは、韓国科学技術院(KAIST)国家未来戦略技術政策研究所とともに、人口減少時代における軍の進むべき方向を展望する。女性の兵役勤務を認め、非武装地帯(DMZ)の警戒体制を先端の量子科学技術に基づくシステムへ転換する。そうすれば、兵役資源の急減という問題を解決できるだろうか……。
◇2040年、韓国軍が“人口の崖”で崩壊寸前?
15年後、人口の崖の影響で韓国軍が約27万人に急減し、北朝鮮の113万人の4分の1にも満たなくなる――韓国国防省は予測している。
国会国防委員会所属のユ・ヨンウォン議員(国民の力)が国防省から提出を受けた資料によると、全体の兵士数は、2025年に29万人、2035年に26万人、2040年には15万人まで減少する見通しだ。
この推定値は現在の兵役制度を維持する前提で、その年の「20歳男性人口」(入隊可能年齢)をもとに算出されたものだ。行政安全省の統計によると、2040年の20歳男性人口は約14万3000人と見込まれている。
このうち現役判定率を85%と仮定し、その年にすぐ入隊する場合や前年度に現役判定を受けた者の入隊など、すべてを考慮すると、2040年に入隊する兵士は約10万人と推定される。
陸軍の基準で1年6カ月の軍勤務制度が維持された場合、2040年に兵士10万人が入隊すると仮定するなら、総計で15万人の兵士を確保できる――国防省はこう予測している。
軍の兵力は2025年7月時点で、兵士と幹部がそれぞれ25万人と20万人、合計で45万人と集計されている。現在の兵士と幹部の比率および兵役制度が維持された場合、2040年の幹部数は12万人と推定される。
国防省が予測する2040年の兵士数15万人に、幹部の推定値12万人を加えると、韓国軍全体で27万人になると見込まれる。国防省は2040年の幹部定員を20万2000人程度と目標にしているが、人口の崖の影響で目標達成は容易ではないとみられている。

◇徴兵制限界と女性兵役論が浮上
一方、北朝鮮は2022年時点で128万人の兵力(国防省の国防白書基準)を保有していた。現在は約120万人と推定されている。韓国・統一教育研究院によれば、北朝鮮は「全民軍事服務制」の実施により徴兵制が取られており、17歳前後で入隊し、兵役期間は男性で10年、女性で7年とされている。
韓国統計庁は2040年の北朝鮮の総人口を約2620万人と推計している。これは、北朝鮮軍の兵力規模が公開された2022年の人口2570万人より多い。
韓国が毎年の兵士規模を「20代男性人口」で推定するのと同様に、北朝鮮の「17歳の男女人口」を活用すれば2040年の兵力も推定可能となる。
統計庁によると、北朝鮮の17歳の男女人口は2022年時点で34万人、2040年には30万人となる。現在と同じ兵役制度が維持され、2022年と2040年の徴兵率が同等であると仮定した場合、2040年の北朝鮮軍の兵力は113万人と推定される。
米軍の基準では、攻撃時には3対1、防御時には1対3程度の兵力比があって初めて、作戦成功の可能性が高いという。だが、今回の推定通りであれば、2040年の南北の兵力は1対4の水準となり、韓国は防衛に必要な最小限の兵力すら維持できないことになる。2022年時点で北朝鮮軍の規模は韓国軍の2.6倍だ。
KAIST国家未来戦略技術政策研究所は、兵役資源の急減という問題を解決するために、徴兵制ではなく志願制の形での女性兵役勤務の許容や、量子技術に基づいた非武装地帯(DMZ)の科学化警戒システムの高度化などを対策として提示している。
KAISTのチョ・サングン教授は「経済は生存の基盤だが、安全保障は国家の存立を左右する核心要素だ」と述べ、「兵役資源の急減問題には国家レベルで迅速かつ体系的に対応すべきだ」と強調した。
(c)MONEYTODAY