
キム・ゴニ氏の身柄を確保した特検チームは、刑事訴訟法上の拘束期間である最長20日間に、残る疑惑の捜査にもスピードを上げる。
今回の拘束令状請求書に記載された「ドイツモーターズ」「ミョン・テギュン」「乾真法師」以外にも、特検法上で解明すべき事件が山積している。
特に特検チームは、今回のキム・ゴニ氏の拘束令状請求から外れていた「ヴァンクリーフ&アーペルのネックレス」疑惑の捜査を加速させるとみられる。約6000万ウォン相当とされるこのネックレスは、2022年6月、ユン前大統領夫妻が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のため欧州歴訪をした際に着用し、財産申告漏れ論争を引き起こしたものだ。
このネックレスの行方を追ってきた特検チームは最近、キム・ゴニ氏の兄キム・ジンウ氏の義母宅でネックレスを押収したが、鑑定の結果、それは模造品と判明した。キム・ゴニ氏もこのネックレスについて、母チェ・ウンスン氏に贈るため2010年ごろ香港で購入した200万ウォン台の模造品だと主張してきた。
しかし特検チームは最近、「瑞煕(ソヒ)建設」側から「ユン・ソンニョル氏が大統領に当選した直後にキム・ゴニ氏へヴァンクリーフのスノーフレークネックレスの本物を直接渡した」という趣旨の「自首書」(自首の意思や事実経過を記した文書)を入手し、捜査は転機を迎えた。
瑞煕建設側によれば、当選直後にこのネックレスを贈り、数年後にキム・ゴニ氏側から返却を受け、保管してきたという。瑞煕建設側はこのネックレスの実物も特検チームに提出した。
特検チーム関係者は「キム・ゴニ氏は瑞煕建設側からネックレスの本物を受け取り、NATO歴訪の際に着用したことが明らかなのに、特検捜査過程で自身が着用したのは20年前に香港で購入した偽物だと供述している。キム・ゴニ氏の兄の親族宅の家宅捜索で同じモデルの偽物が見つかった経緯についても徹底捜査する。キム・ゴニ氏をはじめ、すべての関係者について捜査妨害および証拠隠滅の容疑を明確に立証する」と語った。
◇次の標的はヴァシュロンの時計?
特検チームは近く、瑞煕建設のイ・ボングァン会長や秘書室長らを取り調べるとみられる。
また特検チームは、親族宅から少なくとも3000万ウォン以上のヴァシュロン・コンスタンタン製女性用時計の保証書が見つかったことに関連し、キム・ゴニ氏を特定犯罪加重処罰法上の斡旋収賄容疑で捜査している。
この時計を購入した事業家は最近の特検チームの調べで、2022年のユン・ソンニョル氏の大統領就任後、同年9月7日ごろにキム・ゴニ氏の依頼を受け、自ら購入してキム・ゴニ氏に直接渡したと供述したとされる。
この事業家は時計購入資金の一部はキム・ゴニ氏側から受け取ったという。同年9月、大統領警護処と1870万ウォン相当のロボット犬警護デモ事業契約を結んだこともあった。
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