米韓同盟・3軸体制強化
韓国でユン・ソンニョル(尹錫悦)政権が誕生して以後、内政や外交、南北関係で新たな動きが始まっています。最新の状況を交え、まとめてみました。(シリーズ7/8)
◇対北朝鮮政策に二つの軸
「北朝鮮が核兵器の使用を企てるなら、米韓同盟と韓国軍の圧倒的な対応に直面することになる」
韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は国軍の日の記念演説で、北朝鮮の核・ミサイル挑発に対して強力に対応するという意志を明らかにした。
ユン政権の対北朝鮮政策の方向は、二つの軸と解される。
「実質的非核化に転換するならば経済・民生を画期的に改善できるよう支援する」という内容の「大胆な構想」。
「核兵器挑発時に圧倒的に対応する」という「決然たる意志」。
特に、米韓軍事同盟の跳躍的発展を通じて、北朝鮮のミサイル挑発に積極的に対応する方針だ。前政権と違い、北朝鮮の脅威に対応するためなら、日本との協力も厭わないという点も目立つ。
あわせて「韓国型3軸体系」も強化し、全方位的対応態勢を整えるという計画だ。
3軸体系は▽北朝鮮のミサイル発射の兆候を探知して先制攻撃するキルチェーン▽ミサイルを迎撃する韓国型ミサイル防衛体系(KAMD)▽北朝鮮から攻撃された場合に指導部などに報復攻撃をする大量反撃報復(KMPR)――で強力に対応するということだ。
◇「確固たる軍事態勢を維持…」
ユン大統領は今月1日、国軍の日の記念行事に出席し、これまで明らかにしてきた対北朝鮮政策「大胆な構想」とともに、韓国軍の「決然たる意志」について強調した。
北朝鮮が核を放棄する場合、経済および財政支援を惜しまない。だが、核・ミサイルの脅威に対しては断固として決然と対応し、韓国国民の生命と財産を守るということだ。
ユン大統領は「朝鮮半島と北東アジアの持続可能な平和と繁栄を実現するためには、何よりも強い国防力が後押しされなければならない。韓国軍は確固たる軍事態勢を維持し、北朝鮮のいかなる挑発と脅威にも韓国国民の生命と財産を守る。北朝鮮が核兵器の使用を企てるなら、米韓同盟と韓国軍の決然とし、圧倒的な対応に直面することになるだろう」と警告した。
最近、北朝鮮は繰り返しミサイル発射を強行するなど、挑発のレベルを高めている。
(つづく)
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