2024 年 12月 28日 (土)
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[KWレポート] 韓国“リセット” (1)

「大統領文化を変える」本格化

5月22日、大統領府本館前の大庭園で開かれたKBS開かれた音楽会で挨拶するユン大統領©NEWSIS

韓国でユン・ソンニョル(尹錫悦)政権が誕生して以後、内政や外交、南北関係で新たな動きが始まっています。最新の状況を交え、まとめてみました。(シリーズ1/8)

◇「帝王的大統領」からの脱皮

ユン・ソンニョル氏が韓国の第20代大統領に就任した今年5月10日、70年間、固く閉ざされていた大統領府の正門が開かれた。新政権発足2日目の11日午前8時35分、新大統領が龍山(ヨンサン)大統領室に出勤し、庁舎の入り口に立ったまま取材陣の質問を受けた。

韓国国民には「見慣れない」二つの風景は▽韓国大統領の歴史に残る瞬間▽大統領文化を変える出発点――と見る向きがある。

ユン大統領はなぜ多くの反対と批判にもかかわらず、大統領府移転を推し進めたのか。

なぜ、おしゃべりで問題の多い「囲み取材」(略式記者会見)を続けようとしているのか。

この質問に対するユン大統領の答えは明瞭だ。それは「帝王的大統領」からの脱皮だ。

宮殿に閉じ込められて権威を握っている大統領にはならないということだ。大統領文化から変えてみれば、統治の方式が変わり、政治が変わり、国民生活の変化につながるという信念からだ。

◇建築工学者の間でも議論

大統領府の移転は、ユン大統領当選で突然飛び出した話題ではない。

イ・ミョンバク(李明博)大統領当時から始まり、ムン・ジェイン(文在寅)大統領もこれを掲げてきた。大統領学の権威者である京畿大政治大学院のハム・ソンドク教授と、建築工学者の間でも議論が続けられてきた。

現在、一般に開放された青瓦台本館は1991年、ノ・テウ(盧泰愚)大統領時代、現代建設が新築した状態でムン大統領退任まで使用した。中央に大統領本館、入口左側に外賓を儀典する迎賓館、プレスセンター機能をする春秋館、そして大統領参謀たちが働く秘書棟、女民館などを別に配置した。

問題は大統領官邸と執務室、秘書と補佐官の空間、春秋館などの動線だ。彼らは互いに車に乗って動かなければならないほど離れており、業務効率を高めるのは難しい。

建築工学者は、こうした環境は、大統領が呼び出せば秘書陣が臣下が宮殿に入るように執務室に行き、報告しなければならない封建的空間システムだと主張してきた。

ハム・ソンドク教授も次のように指摘する

「リアルタイムで情報に接しにくく、気軽に随時意見を交流することもできない。断絶した空間に閉じ込められたまま儀典用に建てられた講堂のような執務室で、『孤独な時間』を過ごす。そんな大統領リーダーシップの限界は容易に察することができる。建築工学者は建築的要因が存在すると主張しており、このような空間では、誰が大統領になっても良い政治をすることが難しい」

◇大統領職の遂行プロセスを透明に

同様の主張はユン大統領の発言からも確認できる。

ユン大統領は当選者時代、大統領室龍山移転を提示し、「空間が意識を支配する」「今決断しなければ帝王的大統領制から抜け出せない」と述べていた。

また、8月17日の就任100日の記者会見でも「大統領中心制国家と言えば、大統領職の遂行プロセスが国民に透明に明らかになり、国民から鋭い批判と多様な指摘を受けなければならないと考える」と明らかにした。

そのうえで「そして、私が龍山に来て、作られた姿ではなく、ありのままを見せ、批判を受ける新しい大統領文化を作り出す過程」と打ち出した。

政界では、ユン大統領のこのような所信を批判する声もある。

ただ、専門家はこれを「変化の始まり」と見ている。

ハム教授はこうみる。

「毎日出勤する大統領は、開かれた大統領府を目指し、人々との出会いの範囲も拡大し、コミュニケーションはより一層高まるだろう。大統領として君臨せず、国民のために働くという態度の本気度を示す最初の道」

ある大統領室関係者も次のように強調する。

「大統領室龍山移転について『費用的側面』だけを見る向きが多く残念だ。龍山に5年だけいるということではない。未来まで使う空間を整えるという費用から見れば、それほど大きな規模ではない。加えて、移転を通じて変化する大統領文化、それから始まる政治の変化まで考えれば、十分に意味のあることだ」

(つづく)

©NEWSIS

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