2024 年 11月 28日 (木)
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[KWレポート] 韓国を“分断”する政治ユーチューバー (2)

キム・チェファン氏運営していたユーチューブチャンネル(上)現在は映像がすべて削除されている(c)MONEYTODAY

韓国政界がユーチューバーを必要とする理由は単純だ。

地上波放送や新聞など既存メディアの影響力が落ちる一方で、ユーチューブなどソーシャルメディアの影響力が強大になったためだ。

MONEYTODAYの取材によると、韓国には100万人以上の登録者を持つ政治ユーチューブチャンネルが11もある。政治ユーチューブが事実上、マスメディアの役割を果たしているのだ。

大統領室は、政治ユーチューバーらと意思疎通を図りながら世論を把握している。ユーチューブの影響力が大きくなるにつれ、人材も集まるようになる。ユーチューバーを専門の職業とする例や、学者・タレントらが兼業しているケースもある。

与党関係者は現状を次のように分析する。

「メディアが大きな変化を迎えている。ユーチューバーが趣味としての活動から、一つの職業、マスメディアに発展している。ユーチューブが政治両極化を煽り、偽ニュースの窓口にもなっている面は否めないが、既存メディアができなかった機能をユーチューブが発揮しているという状況もある」

◇対立を選挙に利用

政治ユーチューブは一方の陣営に偏ってこそ、再生数が増える。

ユーチューブのアルゴリズム推薦機能に伴う「フィルターバブル(Filter Bubble)」現象のためだ。

おのずと、政治ユーチューバーらは極端な主張をするようになる。これが政治両極化や対立を進めることになる。

時に、政治ユーチューブが偽ニュースの温床になったりもする。ユーチューブの場合、「放送」ではなく「情報通信」コンテンツに分類されるため、虚偽事実の流布に対する制裁が難しい。

韓国外大政治外交学科のイ・ジェムク教授は次のように指摘する。

「政界が政治ユーチューバーに振り回されていることこそ問題だ。対立を管理して合理的な政治過程に持っていくのが政治の役割のはずだ。だが現状は、むしろ対立を選挙に利用している」

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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