2024 年 11月 25日 (月)
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[KWレポート] 韓国「サービス格差」の闇 (5)

アプリで掃除も洗濯も…地方では「遠い国の話」

(清掃研究所提供)©MONEYTODAY

韓国ではソウル首都圏に人口の半分以上が集中しています。このため、首都圏では一般化しているサービスでも、地方には行き渡っていないものも少なくありません。この国のサービス格差の現状を取材してみました。(最終回)

「一度も使ったことのない人はいないけど、一度だけという人もいない」

韓国で最近、ホームクリーニングや非対面洗濯サービスを利用した感想でよく耳にする言葉だ。高いサービス満足度のおかげで、急激に利用者数が増えている。しかし、こうした革新生活サービス、スタートアップのサービスも地方では「遠い国の話」だ。

業界関係者によると、2017年1月からホームクリーニングサービス「清掃研究所」を運営する「生活研究所」は、今年初めまでの5年間で計100万世帯、343万件のホームクリーニングサービスを実施した。登録された清掃マネジャーの数も5万4000人に達するほど早く事業規模が拡大している。

このため、仁川や釜山、光州など6大広域市までサービスを拡大するなど、事業拡大に拍車がかかっている。特に、清掃研究所に対する満足度が口コミで広がり、地方での需要も増えているが、大都市圏を離れたサービスは現実的に難しい。

清掃研究所関係者は「地方でサービスを担える人材が供給され続ければ、清掃研究所はどの地域でもサービスができる。しかし、大都市を離れた地域で掃除マネジャーを円滑に雇うことが簡単ではないという問題がある」と述べた。

非対面洗濯市場を二分しているのは、「衣食住カンパニー」の「ランドリー・ゴー」と「ウォッシュスワット」の「洗濯特攻隊」。この二つは首都圏を中心に急激に成長している。非対面洗濯サービスは、利用者が玄関前に出した洗濯物を夜明けに収集し、洗濯後当日すぐ配送してくれる。利用者がクリーニング屋に足を運ばなくても済む便利さのおかげで、若い世代を中心に需要が大きく増えている。

「洗濯特攻隊」の昨年の月平均洗濯物量は約30万点で、前年比2倍近くの成長を記録している。ランドリーサービスも毎月の利用者世帯が10~20%ずつ増えている。月平均の利用世帯数は6万世帯に達する。「洗濯特攻隊」はソウルと京畿圏を中心にサービスを展開しており「ランドリー・ゴー」もソウル全域と新都市を中心にサービス地域を拡大している。しかし、非対面クリーニングサービスを求める需要が地方でも増えているにもかかわらず、当分の間、サービスを期待するのは難しい見通しだ。

「ランドリー・ゴー」の関係者はこんな現実を語る。

「非対面洗濯の中心は、夜明けに洗濯物を回収し、大量に処理する大型洗濯工場となる。その分、一定レベル以上の需要が必要だという点で、首都圏や大都市を離れてサービスを展開するには時期尚早とみている」

(おわり)

「韓国『サービス格差』の闇」はMONEYTODAYのチョン・ヒョンス、イ・チャンミョン、ユ・スンモク、ハン・ミンソンの各記者が取材しました。

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