年末の一番人気は「日本」
ソーシャルディスタンス解除後初めて迎える年末。韓国では旅行に対する「報復消費」の心理が働き、日本を中心とした海外旅行、少し遠出の「ロングステイ」、若者を中心としたパッケージツアー、国内での高級ホテル宿泊を中心に人気が集まっている。
◇訪日外国客、4人に1人「韓国から」
今年の冬、最も人気を集めている海外旅行先は日本だ。エンデミック(風土病化)時代を迎えるとともに、日本政府が10月、ビザなし入国を許容したことで、抑圧されてきた海外旅行需要が爆発した。
原油高による「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」の負担が大きくなり、ドル高によって冬の人気旅行地だったハワイや欧州への渡航が難しくなった。
その代替地が日本というわけだ。
韓国の旅行会社「黄色い風船」によると、海外旅行商品のうち11月出発分の予約率は、九州(13.7%)、大阪(12.9%)、西欧(12.1%)の順。12月出発では九州(11.9%)、トルコ(11.2%)、北海道(10.2%)、西欧(10.1%)で、いずれも日本の人気が高い。
同業の「モドゥツアー」は11月18日の時点で、日本旅行の予約件数が前月比で281%になっていた。ショッピングモールサイト「ジーマーケット」でも9月の日本旅行商品の予約率が前月比1816%増だった。
日本旅行の需要は第3四半期(7~9月)から急増し始め、ノービザ自由旅行の容認もあって急激に高まった。日本政府観光局によると、11月の訪日外国人観光客は49万8600人。このうち韓国からは12万2900人。4人に1人が韓国人という計算になる。
韓国の航空会社も日本路線の運航を活発化させている。
大韓航空は今月から仁川(インチョン)発札幌、沖縄路線の運航を増やした。格安航空会社の済州(チェジュ)航空やジンエアー、エアプサンも仁川や釜山と東京、大阪、福岡、札幌、沖縄を結ぶ路線の運航再開・増便を進めている。
◇1カ月暮らし…「ロングステイ」トレンド浮上
韓国国土交通省によると、10月に仁川国際空港を利用した国際線旅客数は229万327人。前月(180万2378人)比27.1%増となった。前年同期(30万9062人)比で8倍近い。
新型コロナウイルス感染拡大を経て、韓国人の旅行に新たなトレンドが浮上している。
新型コロナ以前の海外旅行とは、短い期間に、繰り返し訪れるものだった。だが、エンデミック後は少し違う。いったん出国してしまえば、1カ月といった長期間、その場所に留まるという「ロングステイ」型に、旅行の形態が変化しているのだ。
企業の休暇文化の変化も、こうしたロングステイのトレンド形成に一役買っている。大企業を中心に年次休暇をまとめて年末に使う傾向が強まり、今月10日から2週間ほど、海外旅行に向かおうという人が増えているのだ。
大企業に勤めるある会社員(40)は「今年の冬は年次休暇を取って小学生の子供たちと2週間ほど、タイ・チェンマイに旅行に行く。チェンマイは物価も安く、ゴルフや語学研修なども手ごろだ」と語っている。
韓国旅行各社は、チェンマイのほか、米ハワイやトルコ・アンタルヤ、インドネシアのバリ、ベトナムのダナンに加え、韓国国内の江原(カンウォン)、南海(ナムヘ)、麗水(ヨス)などでのロングステイ旅行の商品も次々に販売している。
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