2024 年 12月 26日 (木)
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[KWレポート] メタバースの陰「ダークバース」 (1)

アバターでのセクハラ・ストーキング

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メタバースが普及するにつれ、新しいタイプの犯罪が浮上しています。メタバースの陰の部分、ダークバースに焦点を当ててみました。(シリーズ1/6)

◇「現実で会おう」

ネイバーゼット(NaverZ)が運営する「ゼペット(ZEPETO)」プラットフォームでアバターを利用した新しいタイプの性犯罪が浮上している。アバターが特定ポーズを取って相手アバターの身体に接触する方式でセクハラ行為をする▽追いかけながらストーキングをする▽ネットで事前に金額を合意したうえで実際に会って性関係を結ぶという条件による出会い――を試みる事例も確認された。はなはだしくは成人が未成年者に接近してアイテムをプレゼントして好感を得た後、現実で会おうという提案をしたりもする。

昨年12月にはメタ(旧フェイスブック)の子会社ホライズンが開発したメタバースプラットフォーム「ホライズンワールド」にセクハラ被害の訴えがあった。ホライズンワールドベータテストに参加したある利用者は「数人の男性アバターに囲まれ、集団性暴行と言葉によるセクハラ被害を受けた」と主張した。この利用者は「男性が音声チャットで『嫌がるふりをするな』と叫んだ。現実と見分けがつかないほど恐ろしい悪夢だった」と訴えた。

◇有害性の問題

メタバース性犯罪はすでに2000年代から浮き彫りになっている。「セカンドライフ」というサービスが代表的だ。米国の開発会社であるリンドンラボ(Linden Lab)が3次元オンライン仮想現実サービスを標榜して公開したセカンドライフはアバターを活用した文字・音声チャットはもちろん、プラットフォーム内仮想資産を法定通貨に両替できる機能まで支援した。特に性関係描写、わいせつ物の制作・流通など有害性が問題となり、国際的な非難を浴びて閉鎖された。

このように最近、パーソナライズ、知能化を標榜するウェブ3.0(知能型ウェブ)と実感技術、人工知能、仮想資産などの発達でメタバース生態系が本格的に活性化するにつれ、仮想世界の中で起きる各種の社会問題が発生している。

ゼペットのようなメタバースプラットフォーム利用者の相当数が未成年者というのが問題だ。ニールセンコリア(Nielsen Korea)によると、ゼペット利用者のうち50.4%が7~12歳、20.6%が13~18歳だ。しかし、青少年たちはサイバー犯罪の被害に遭っても報復などを恐れて両親に知らせたり警察に通報することをためらう。したがって、メタバースプラットフォームの副作用を未然に防止するための社会的議論と制度づくりが急がれるという声が出ている。

◇制限すべきコンテンツ

メタバース生態系参加者たちも現実世界で起きる嫌悪発言、性犯罪、人種差別など事件・事故が仮想世界にまで広がることを心配している。

放送通信委員会メタバース生態系利用者保護政策推進団が発表した「メタバース生態系参加者認識調査」結果によれば、メタバース利用時に制限が必要なコンテンツは▽性的コンテンツ(25.1%)▽嫌悪表現およびいじめ(20.3%)――の順で多かった。倫理原則の必要性(5点満点)については、▽メタバース運営者が守るべき倫理原則の必要性が4.23点▽クリエイターが守るべき倫理原則の必要性が4.20点――だった。

これに対し、メタバース運営会社もメタバース内の性犯罪など利用者倫理意識問題に共感し、対策を講じている。メタはアバター間に4フィート(約120センチ)の距離を置く機能を導入した。ただ、利用者が自分で距離を置く機能を解除できるという点で、依然として弱点は存在する。

◇安全専門チーム

ゼペット運営会社ネイバーゼットは児童・青少年保護政策を強化しようと昨年12月、米国にグローバル専門人材で構成された安全専門チーム(Trustand Safety team)を新設した。また、AIによるわいせつ物検出技術を導入し、悪口のフィルタリングやグルーミングのような性搾取検出技術を適用し、プラットフォームガイドラインに違反した有害コンテンツフィルタリング技術を導入してコンテンツ検索結果で確認できないよう措置した。しかし、これをすべて取り除くことは事実上不可能に近い。

ゼペット運営会社であるネイバーゼット関係者は次のように強調する。

「現在、メタバースプラットフォーム上で発生し得る非倫理的な問題に対し、先制的に対応し、ユーザー保護装置の準備のために政策的、技術的な手段を講じている。最新の技術ソリューションと担当部署の人材を使い、コミュニティガイドラインに違反したコンテンツを、先制的に除去して、掲示されないようにするための努力をしている」

(つづく)

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