業歴60年、第1世代の韓国のキッチン用品メーカー「ハンイルステンレス」。プレミアムブランド「ハンイルプリマス」から発売された「VOK」という製品は、加熱道具と調理用フライパンを一体化した新概念の調理道具だ。
この製品には、韓国の「福」を世界に知らせるという意味が込められている。
誰が、どこで料理しても、同じ味に仕上がることを目標に掲げた。料理の味を左右する熱源と調理道具、調理法などの条件を組み合わせ、常に一定水準以上の料理を作ることができるようにするという話だ。
鉄鋼会社と原板メーカーから数種類のステンレス素材の供給を受けて、金型で形だけを作るという「従来のキッチン用品生産」――同社はこの方法から脱し、製品開発のために新素材を作ることに挑戦した。
製品デザインのため、米国の有名デザイン会社「Pensar」とMOU(了解覚書)も締結した。「Pensar」は、マイクロソフトのコンソールゲーム機「Xボックス」をデザインした会社だ。
ところが、新型コロナウイルスの感染拡大でPensarが2020年に廃業し、「VOK」開発プロジェクトにもブレーキがかかった。
座礁しそうになったプロジェクトを続けることができたのは、韓国デザイン振興院(KIDP)の「デザイン革新有望企業育成事業」のおかげだった。
ハンイルプリマスは、2020~22年にデザイン経営力診断を受け、マーケティング支援と新製品開発、ライブコマース、グローバルマーケティングなど2億ウォン(約2066万円)程度の事業支援を受けた。
Pensarの空席を埋めるデザイン会社にも育成事業の支援で接触した。
(つづく)
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