
「サブカルチャーゲームは、MMORPG(多人数同時接続型オンラインロールプレイングゲーム)の次に寿命が長い。利用者のロイヤルティ(忠誠度)が高く、アップデート後のフィードバックも速いため、ゲーム会社が目を付けるのも当然だろう」(ゲーム業界関係者)
ゲーム業界関係者によると、「非主流文化」を意味するサブカルチャーが、昨今ゲーム業界の核心ジャンルとなっている。NCソフト、スマイルゲートなど、このジャンルに馴染みのなかったゲーム会社までが相次いで参入を表明した。
『リネージュ』『タワー オブ アイオン』など人気作を多数リリースし、「MMORPGの名家」と呼ばれるNCソフトは、来年上半期にサブカルチャーゲーム『リミット ゼロ ブレイカーズ』をリリースする。これはNCにとってサブカルチャーへの初の挑戦となる。同社は東京ゲームショウ(TGS)、G-STAR(ジースター)、Paris Games Weekなど国内外のゲームショーでこのゲームを公開したが、特に東京ゲームショウでは試遊の待ち時間が1時間を超えるほど人気だった。
スマイルゲートは、開発中の新作『未来時:見えない未来』を、12月5日のAGFで韓国国内で初めて試遊公開し、本格的にサブカルチャー・ジャンル攻略に乗り出した。これに先立ち、昨年10月にリリースしたサブカルチャーゲーム『カオスゼロ ナイトメア』が、1ヶ月でグローバルダウンロード数350万回を記録し、最高日刊アクティブユーザー数(DAU)111万人を突破して、可能性を切り開いた。ウェブゼンは、『ゲート オブ ゲイツ』と『テルビス』のリリースを準備中だ。
未来アセット証券によると、サブカルチャーゲーム市場は2018年から2023年まで年平均16.7%成長した。これは同期間のゲーム市場全体の成長率(5.2%)に比べ3倍も高い。20代・30代男性を主軸とした利用者のロイヤルティが高いため、強力な売り上げ動機になっていると分析されている。
海外進出が容易であることも、停滞期に入った国内ゲーム会社が注目している点だ。市場調査機関マーケットリサーチインテレクトによると、グローバルサブカルチャー市場は、2023年の209億ドルから、2031年には485億ドルへと成長する見込みだ。
韓国サブカルチャーゲームの代表的な牽引役はSHIFT UPだ。Sensor Towerによると、同社のサブカルチャーTPS(三人称視点シューティング)ゲーム『勝利の女神:NIKKE(ニケ)』は、2022年11月の正式リリースから14ヶ月で累積売り上げ10億ドルを達成した。このゲームは、サブカルチャー宗主国である日本で、計8回売り上げ1位を達成した。

ネクソンの『ブルーアーカイブ』は、昨年7月の4.5周年アップデート時に日本のApp Store売り上げ1位を達成した。同月にリリースされたPC版は、グローバルゲームプラットフォームSteamで国内売り上げ2位、グローバル売り上げ11位を記録するなど健闘した。モバイルゲームのPC版であることを考慮すれば高い順位だ。Sensor Towerは、昨年2月に『ブルーアーカイブ』のモバイル版が世界で累積ダウンロード数1300万件、累積売り上げ6億ドルを達成したと分析した。
サブカルチャーゲームは利用者のロイヤルティが高く、長期間のサービスが可能なのも特徴だ。リリース初期に両大マーケット(Google Play/App Store)で売り上げ1位を占めたカカオゲームズの『ウマ娘 プリティーダービー』は、6カ月周期の主要アップデートのたびに売り上げ順位が反転した。このゲームは、昨年12月のリリース2.5周年アップデートでGoogle PlayストアとApple App Storeでそれぞれ売り上げ順位7位、6位を記録し、サービス3周年を迎えた今年6月にはそれぞれ12位、6位まで上昇した。
NHNの『#コンパス』は、今年7月に日本のApple App Storeで売り上げ1位を占めた。リリースから9年が経過しているが、いまだに人気が高い。同社は来年第1四半期にサブカルチャーRPG『アビスディア』を国内でリリースする。国内利用者にはAGF 2025で初めて公開された。
東洋大学ゲーム学部のキム・ジョンテ教授は「10~20代はもちろん、購買力のある30・40代までが、コロナパンデミックを経て、自信を持ってサブカルチャーゲームへの愛情を表現し始めた。ゲーム会社も、確率型アイテムやP2W(Pay to Win)BMなど高額課金を誘導するゲームが利用者にそっぽを向かれ始めたことで、サブカルチャーゲームに目を向け始めたのだ」と説明した。
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