2024 年 11月 26日 (火)
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[KWレポート] アフター“兄弟の乱”ロッテはこう変わる(4) 未来事業の確保

ロッテのシン・ドンビン会長が8月、海外投資の中で最大規模であるインドネシア「ラインプロジェクト」の現場を訪問しプロジェクトの進捗状況を点検した(提供=ロッテ持株)(c)NEWSIS

韓国ロッテグループのシン・ドンビン(辛東彬、日本名・重光昭夫)会長が未来事業の確保のため、海外進出を推進し続けている。ロッテグループは中国に代わるグローバル事業の前哨基地として、ベトナムやインドネシアなど東南アジア諸国連合(ASEAN)市場を選び、集中投資する様子だ。

◇東南アジアに拡大

ベトナムなど東南アジア市場は、日本や韓国に次ぐ「ニューロッテの第3拠点地域」に挙げられる。シン会長の長男であるロッテケミカル日本支社のシン・ユヨル常務が、グローバル新市場で未来事業を中長期的に担うのではないかという観測まで出ている。

ロッテは東南アジア市場で2大主力である流通部門と化学部門を中心に投資を続けている。中国からすべての事業が撤退し、これに代わる海外市場として東南アジア市場の比重と重要性はさらに高まっている。

インドネシアの「フード・イノベーション・ラボ(FIL)」でレシピ教育を受けるFIL所属シェフ(提供=ロッテ持株)(c)NEWSIS

◇卸売型と小売型…売り場を並行

重要な天然鉱物が豊富なインドネシアは、昨年の段階で世界4位の人口(約2億7640万人)大国で、十分な労働力が確保されている。特にその40%を占めるMZ世代(主に1980年代半ばから1990年代初めにかけて生まれた「ミレニアル(M)世代」と、それに続く1990年代後半から2010年ごろに生まれた「Z世代」の2世代)が消費のトレンドをリードしており、国民の間でK-カルチャーが大きな人気を得ている。

ロッテマートは2008年、インドネシア市場に初めて進出した後、現地の特性を生かして「卸売型売り場」と「小売型売り場」を並行して運営し、現在49の店舗網を構築した。敷地確保から許認可に至るまでのプロセスをつくり上げて外国企業ではなく「現地企業の一員」として認められ、インドネシア市場に定着したと評価されている。ロッテ百貨店は2013年、ジャカルタに「ロッテショッピングアベニュー店」をオープンしている。

特にロッテマートは10月、インドネシアでのK-フードブームに乗って、韓国料理など家庭簡便食(インスタント・レトルトなどの簡単な調理で食べられる食品)を専門に開発する「フード・イノベーション・ラボ(FIL)」をスタートさせた。シェフのカン・レオ氏が率いるロッテマート・フード・イノベーション・センター(FIC)を模したモデルだ。

10月13日にはセンター長のカン・レオ氏が直接、インドネシア・ジャカルタのガンダリア店を訪問し、FILのためのコンサルティングを手掛けた。またジャカルタのセルポン店にオープン予定の「チーズアンドドウ(Cheese&Dough)」売り場運営と、高品質直営ベーカリーブランド「プンミソ(風味所)」のレシピを使ったK-ブレッド商品補強のためのレシピ教育も施した。

◇先制的に東南アジア市場で実験

ロッテは1998年、ベトナム市場にロッテリアを送り込んだ。2008年にロッテマート(14店舗)、2014年にロッテ百貨店(2店舗)など19の系列会社を進出させ、ベトナムを重要なグローバル拠点の基地にしている。

ロッテリアは現在、260店舗余りを有し、ベトナムのファストフード市場を掌握している。ロッテ免税店もダナン、ナチャン、ハノイに拠点を設けている。2014年に完工した地上63階建てのロッテセンターはハノイのランドマークに挙げられる。韓国国内では規制などによって直ちに実現しにくい事業を、先制的にベトナムなど東南アジア市場で実験するというのがシン・ドンビン会長の意図だ。(つづく)

(c)NEWSIS

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