
韓国国民の9割が、自殺を深刻な社会問題と認識している。政府による自殺予防政策に対しては否定的な評価が多数を占め、長期にわたり高止まりしている自殺率を下げるには、積極的な対応が必要だという共通認識も確認された。
MONEYTODAYがオープンサーベイのリサーチ・体験分析プラットフォーム「データスペース」を通じて、8月12日に実施した「自殺問題に関する意識世論調査」(20歳以上60歳未満の1013人対象)によると、回答者1013人のうち92.8%が「自殺は韓国における深刻な社会問題である」と答えた。「非常にそう思う」が62.1%、「そう思う」が30.7%だった。
◇ 現行政策には「否定的評価」…51%「問題解決に効果的でない」
自殺予防基本計画に基づく現行の自殺予防政策に対し、否定的な評価が多く寄せられた。
「現行の自殺予防政策は自殺問題の解決に効果的だと思うか」という問いに対し、50.6%が「同意しない」と回答した。「政府が自殺問題に適切に対応している」という問いにも、否定的に答えた人が47.1%に上った。
自殺予防キャンペーンについては、知らないという人が大半だった。65.4%が「過去6カ月以内に自殺予防キャンペーンに接したことがない」と答え、「見たことはあるが内容は覚えていない」が27.4%、「確かに見た」が7.2%にとどまった。
韓国政府は自殺の深刻さを認識している。
イ・ジェミョン(李在明)大統領は就任後初の保健福祉省業務報告で、高い自殺率の問題を最初に取り上げた。最近、ソウル市中区自殺予防センターを訪問したチョン・ウンギョン(鄭銀敬)保健福祉相も、自殺を「静かな災害」と表現し、「孤立の社会からつながりのある社会へ進むために、現場の迅速な危機対応力と政府の政策的支援が共に必要だ」と述べた。
◇求められる「社会的雰囲気の改善」
自殺予防政策の転換を求める世論も明確に示された。政府の積極的な介入の必要性に「同意する」と答えた人は80.8%にのぼり、自殺予防政策を総括・執行する政府内の専任機関が必要だという意見には63.2%が肯定的だった。また、予算・人員の大幅な拡充、緊急入院など強制措置の拡大に関しては、それぞれ60.8%、56.8%が「同意する」と答えた。
政府が自殺問題により深く介入するには、自殺に触れることすら避けようとする社会的雰囲気の改善が不可欠だという意見もある。
サムスンソウル病院精神健康医学科のチョン・ホンジン教授は「海外に比べて、韓国では(自殺問題について)口を閉ざし、社会的な問題解決への関与もほとんどない。自分の身近で自殺の問題が発生しても、それを表に出そうとしない傾向が強い」とみる。
自殺未遂者や高リスク群に対し、多角的に支援するには、個人情報――たとえば氏名や相談内容など――を自殺予防機関で共有できる体制が必要だ。また、自殺に関連するデータを研究目的で活用できる道も開かれなければならない。そのためにはまず、個人情報の流出を徹底的に防ぐためのシステム構築が前提となる。
今回の調査では、政府および地方自治体に対する厳格な情報管理責任を求める世論が明らかになった。「情報流出を防ぐため、データの匿名化など積極的な措置を講じるべきだ」という項目には、回答者の86.6%が同意した。
大韓精神健康医学科医師会のヤン・ヨンジュン政策理事は「うつ病を患っている、あるいは自殺を試みたという情報が漏れた場合に、社会的な不利益を被るのではないかという不安を非常に強く感じている。特に自殺の場合、その事実が知られること自体を極度に恐れる傾向がある」と強調した。
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