2025 年 9月 21日 (日)
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[KWレポート] 「36分に1人が命を絶つ国」韓国社会の未来に迫る影 (4)

慶尚北道のある基礎精神健康福祉センターでは、6日午後に職員たちがケース会議を開いていた。この日のケース会議はすべての業務が終わった後の午後4時30分ごろに始まり、約1時間30分にわたって進められた(c)MONEYTODAY

自殺率の上昇が止まらないなか、自殺は主要な死因として定着した。統計庁の「死因統計」によると、自殺は2003年以後、がん、心疾患、肺炎などと並び、20年以上にわたって5大死因の一つとなっている。2022年に唯一、6位となったが、それは新型コロナウイルスによる死者が急増した時期だった。特に、青少年および若年層で自殺の割合が大きい。2023年の統計では、10代・20代・30代の死因第1位が自殺であり、40代・50代では第2位となっている。

慶熙大学精神医学科のペク・ジョンウ教授は「韓国の国民は急激な経済成長の中で過度な競争にさらされてきた。その過程で極度のストレスを受けてきた。そのストレスを和らげる社会福祉サービスや人的ネットワークが不足していることが、20年以上もOECD自殺率1位という結果を招いた」と分析した。

韓国では、自殺問題に国家レベルで対応するため、2004年から5年単位で「自殺予防基本計画」を策定・施行してきた。しかし2022年までに実施された4回の政策すべてで、自殺率の低下目標は一度も達成されていない。

・第1次(2004~2008年):目標18人、実際の自殺率26人
・第2次(2009~2013年):目標20人、実績28.5人
・第3次(2016~2020年):目標20人、実績25.7人
・国家自殺予防行動計画(2018~2022年):目標17人、実績25.2人

目標を達成できなかっただけでなく、自殺率を減少傾向にすら転じさせることができなかった。

こうした結果に対し、韓国政府が最初から現実的でない目標を設定し、政策の失敗を招いたという批判が出ている。現在進行中の第5次計画では、2027年までに自殺率を18.2人に下げることを目標としている。しかし、2024年に自殺率が再び上昇したことを踏まえると、今回も目標達成は困難とみられている。

さらに、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権が弾劾によって突然交代したため、計画自体を再び立て直す必要が生じる可能性もある。実際、2017年に当時のパク・クネ(朴槿恵)大統領が弾劾された後に発足したムン・ジェイン(文在寅)政権も、第3次計画の途中で自殺予防政策を全面的に再構築した前例がある。

(c)MONEYTODAY

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