2024 年 5月 19日 (日)
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[KWレポート] 「世界初5G」試行錯誤の満3年 (1)

消費者は依然、「LTE愛」

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韓国が世界で初めて5G(第5世代)移動通信システムを商用化してから2022年4月3日で満3年になりました。新型コロナウイルス感染のパンデミックと非対面時代、5Gは核心インフラとして位置づけられています。現状と課題を考えてみました。(シリーズ1/5)

◇LTE、加入者は5Gの2倍

「世界初」の商用化というタイトルを獲得してから3年がたち、5Gの韓国での加入者が2200万人を超えた。年内にも3000万人を突破する見通しだ。

しかし、依然として国内の「主流」は「4G LTE」(ロング・ターム・エボリューションの略)で、加入者の規模は5Gの2倍だ。

かつてLTEが発売するやいなや、早いテンポで市場を掌握したのに比べ、5Gの成長振りは依然として遅い。レッテルのようについて回る品質論争とカバーエリアの問題を解消するのも、5G定着のための先決課題だ。

科学技術情報通信省の「無線通信サービス統計現況」によると、今年2月末基準で5G加入回線数は2228万人だった。昨年2月より862万人(63.1%)増えた。

この1年間、5G回線の月間増加量は少なくとも60万6000人(昨年9月)、最も多い時は97万5000人(同10月)と集計された。このまま行けば、年内に3000万人突破も確実視される。

ある通信会社の関係者はこう見通す。

「ほぼすべての新製品スマートフォンが5G対応モデル。これを考慮すれば、4Gから5Gに転換する速度は以前よりさらに速くなる可能性もある」

にもかかわらず、依然としてLTE加入者は5Gの2倍だ。

昨年2月末現在、LTE加入者は4771万人に達する一方、同年同月比7.3%(373万人)の減少にとどまった。月間回線減少量も同年10月(75万2000人)を除けば、20万~40万人水準だ。

このような流れが続けば、LTEと5G回線の「ゴールデンクロス」は、早くても来年以降に可能となる見通しだ。移動通信3社が5G加入者を増やすために全力を尽くしても、通信消費者の「LTE愛」はなかなか冷めないのが現状だ。

多くの消費者が依然として5Gに不信感を抱いているという意味でもある。

5Gの成長ぶりは、かつてのLTEと比較される。LTEは商用化満3年だった2014年7月末に3327万人の加入者を集めた。移動通信の59.4%を占め、3G加入者(1590万人、28.4%)を圧倒した。

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◇「20倍速い」→これは『理論的な最高値』

不満の核心は「品質」だ。

市民団体「消費者主権市民会議」は今年3月30日に科学技術情報通信省と移動通信3社(SKT、KT、LGユープラス)に向けた「質疑書」を発表し、次のように指摘した。

「5Gのサービス開始当時、LTEと比べて通信速度が20倍速い、通信高速道路だと広報した。だがこれが現実のものにならなかった」

実際、昨年10月現在の移動通信3社の5G平均ダウンロード速度は801.48Mbpsで、1Gbpsにも及ばず、LTE(150.30Mbps)との差も20倍とはなっていなかった。

これらの通信会社は「『20倍速い』という広告は『理論的な最高値』だ」と釈明している。

超高周波(28GHz)帯域の5Gは最大20Gbps、LTEは最大1Gbpsの速度が出ることを説明しただけ。消費者を欺いたわけではない――という立場だ。

だが、28GHzは試せずにいる。

(つづく)

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