2024 年 12月 21日 (土)
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[KWレポート] 「カカオ不通」が残したもの (2)

プラットフォーム規制議論の再燃

10月24日、科学技術情報放送通信委員会の総合監査に出席し、固い表情で議員の質疑を傾聴するキム・ボムス氏(c)news1

◇「オンラインプラットフォーム法」から「IDC法」まで

カカオの通信障害という事態がプラットフォームの独占問題に飛び火し、各種規制議論が再燃した。2年前に廃案になったインターネットデータセンター(IDC)規制法案に再び焦点が当てられ、「オンラインプラットフォーム法」が再度浮上している。

現在、国会にはネイバー、カカオなどの付加通信事業者のデータおよびサーバーなどの保護措置を強化する法案4つが発議されている。野党「共に民主党」のチョ・スンレ議員と与党「国民の力」のパク・ソンジュン、チェ・スンジェの両議員が放送通信発展基本法改正案を、共に民主党のピョン・ジェイル議員が情報通信網利用促進・情報保護などに関する法律(情報通信網法)改正案をそれぞれ発議した。

2020年の段階で、IDCを放送・通信施設のように国家災難管理施設に指定する内容の「放送通信発展基本法改正案」(IDC法)が発議されたが、業界の反発で法制司法委員会で審査されるには至らなかった。今回の法案は、規制のレベルがいっそう高められた。特にデータセンターを自社で構築しないプラットフォームは規制対象に含まれた。

国会科学技術情報通信委員会は11月15日、情報通信放送法案審査小委員会(法案2小委)を開き、こうした法案を議決した。科学技術情報通信委員会の法案小委で議決された法案は、全体会議、法制司法委員会の審査などを経て、国会本会議で審議されることになる。与野党に大きな意見の違いはなく、速やかに法案が処理される見通しであるため、早ければ年内にも成立する見通しだ。

これに対し、ネイバーグローバル投資責任者(GIO)のイ・ヘジン氏は10月24日、国政監査の場で「ユーザーに、より安全なサービスを提供できるならば協力が可能だ」としながらも「ユーザー情報を保護し、海外業者との差別的措置をなくすべきだ」と指摘した。

先月24日、科学技術情報放送通信委員会の科学技術情報通信省などに対する総合監査に出席し、議員の質疑に耳を傾けるネイバーのグローバル投資責任者(GIO)、イ・ヘジン氏(c)news1

ムン・ジェイン(文在寅)前政権で推進されたものの、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権になってから自主規制の導入で事実上廃案手順を踏んでいたオンラインプラットフォーム規制法案も再び注目されている。ユン大統領は10月17日、カカオ問題と関連して「民間企業が運営するインターネットだが、国民の立場からすると、実質的に国家基幹通信網と変わらない」と話した。

そのうえで「もし独占や深刻な寡占状態で市場が歪められる場合、国民の利益のために国は当然、必要な対応を取るべきだ。そのような問題は公正取引委員会で検討している」との認識を示した。

現在、野党「正義党」のペ・ジンギョ議員と「共に民主党」のユン・ヨンドク、オ・ギヒョン両議員がそれぞれ関連法案を発議している。

しかし、規制論議には慎重であるべきだという主張もある。カカオ事故を契機にした性急な立法が、市場への参入規制として作用する恐れがあるという懸念だ。

嘉泉(カチョン)大法学部のチェ・ギョンジン教授は「(今回の事態は)独占事業者、非独占事業者の問題ではなさそうだ。サービスの性質、社会的影響力、公共的サービスの性格を総合的に判断しなければならない。データ保護の二重化が当然望ましいが、費用が2倍以上かかるため、規制対象を厳密に絞り込まなければ、不必要な参入規制が生じることになる」と指摘した。

(つづく)

(c)news1

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