2024 年 2月 27日 (火)
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[KWレポート] K-ディフェンスの無人システム (2)

自主開発で戦力化

ハンファディフェンスの多目的無人車両「Arion-SMET」(写真提供=同社)©MONEYTODAY

韓国軍は未来戦で重視される「無人システム」の導入を目指し、開発に力を入れています。同国の軍需企業「ハンファディフェンス(Hanwha defense)」を通して、その取り組みをみてみます。(シリーズ2/3)

◇RCWSを自主開発

業界では、ハンファディフェンスが韓国で唯一、遠隔射撃統制システム(RCWS)を自主開発し、戦力化したことにも注目している。

RCWSは艦艇と装甲車、自走砲、戦術車両、戦車など、さまざまな装備に搭載される「アンタクト(un-contact)」戦闘システムだ。ターゲットをカメラが捕捉すれば、RCWSが自動的にそれを追いかける。この機能によって、600メートル以上の遠距離でも、正確に敵を攻撃できる。

ハンファディフェンス国防ロボット事業部のソ・ヨンウ部長(専務)は「軍将兵の数をさらに減らせる。人命が大事なので、無人化システムの需要が今後、増え続けるだろう。ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権はAI(人工知能)に対する関心が高く、多くの支援を受けることで大いに励みになる」と話している。

◇シリコンバレー出身

「素早く計算し、たくさん記憶する。昔からコンピューターは、人間が不得意なことが得意でした。その代わり、4歳の子供でもできることをコンピューターができない例もあります。多目的無人車両が戦場で障害物を認識して避けて通るのは、人間からみれば簡単に思えますが、実はそこに隠されているのは、多くの努力によって培われた人工知能(AI)技術なのです」

障害物を避けて移動するハンファディフェンスの多目的無人車両アリオン・スメットの映像を示しながら、同社国防ロボット事業部のソ・ヨンウ部長(専務)は、こう説明した。

ソ・ヨンウ氏は、米シリコンバレーのAppleやハイパーループ(Hyperloop)などで勤めた後、昨年、ハンファディフェンスの無人化システム関連の研究開発事業を統括する責任者として迎え入れられた。

ソ・ヨンウ氏(写真提供=ハンファディフェンス)©MONEYTODAY

◇設定された経路に沿って自律移動

ハンファディフェンスのアリオン・スメットは、自動車のアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC) のように、前の車両や歩兵の速度に合わせて、ついて行ったり止まったりする。

ナビゲーション上にウェイポイント(経由点)を複数示しておけば、経路を生成し、設定された経路に沿って自律移動する。自律走行と遠隔走行の両方が可能なうえ、移動中に通信が途切れても、来た経路を引き返す機能も搭載されている。

ライバル会社の装備は経路に障害物があれば止まってしまう。だが、ハンファディフェンスは、動く障害物を認知・追跡し、識別された障害物と衝突しないよう、脇に避けていくシステムの開発を、間もなく完了させる。

軍で使う無人化システムは、一般の自動車の自律走行よりはるかに難しい。

自動運転開発でトップランナーの米アルファベット傘下「ウェイモ(Waymo)」でも、原野のようなオフロードで自律走行したケースはない。

ソ・ヨンウ氏は「こうした車は、信号機があり、車線が定型化された道路を走るものだ。ハンファディフェンスの無人車両は、戦場や原野を走行するため、技術水準を比較するのは難しい。ただ、交通法規があって路面表示があるところより、原野で走行する方が技術的に複雑で難しい」と評価する。

自動車は茂みのあるような環境で走行することはあまりない。軍の無人車両は、茂みが生い茂っているところでも走行しなければならない。ソ・ヨンウ氏は「もし人が原野で車両を運転すれば、高い茂みでも避けずに通ることも可能だ。無人車両に装着されたライダー(レーザーで物体まで距離を測定し、形状をイメージする技術)だけを利用すると、高い茂みを障害物と認識し、迂回する場合も生じる」と指摘する。

だが、カメラが取得したイメージをライダーのデータと融合させれば、茂みがあっても避けずに「走行できる領域」と識別できる。「茂みと障害物の違いを認識できるソフトウェア開発は相当な技術力を要する」そうだ。

(つづく)

©MONEYTODAY

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