2024 年 5月 22日 (水)
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[KWレポート] 20代論客が語る2022大韓民国 (2)

不完全なエネルギーの「脱価値」世代

ガールズグループ「今月の少女」。イム・ミョンムク氏のアイドル(写真提供=Mnet)©MONEYTODAY

韓国で、1990年代生まれの若者を明快に分析した「Kを考える」の著者で作家のイム・ミョンムク氏(28)が注目されています。「20代の論客」として注目を集めるイム氏がMONEYTODAYとのインタビューで語った話をまとめました。(シリーズ2/5)

◇心理的混乱と危機が商業的に連結

作家イム氏は、自身の世代である「1990年代生まれ」を、冷笑的な目で見る。その著作「Kを考える」に記されている憂慮が――1990年代生まれのエネルギーが10年以内になくなる可能性だ。

1990年代生まれは「創意的消費」を通じて、アイドルなどKコンテンツのレベルアップを主導した。ただ、そのエネルギーの根源にあるのが「不安」というものであるからだ。

イム氏の分析によると、1990年代生まれは、幼いころから「競争」に追い込まれ、「圧迫感」を受けてきた。それゆえ、既存の韓国社会の価値に愛着を持たない「脱価値」世代といわれる。「枠組み」から外れた新しいコンテンツを消費しつつ、自分たちだけの「生態系」を構成することに躊躇がなかった――というのがイム氏の解説だ。

イム氏は「1990年代生まれのエネルギーは、伝統的、肯定的な産物から出たものではない」とみる。この見解は次のような主張につながる。

「今のこのすごい“コンテンツ帝国”は、1990年代生まれが体験している心理的混乱と危機が、商業的によく連結されて出てきたものだ」

それでは、1990年代生まれのエネルギーが持続可能ではないということか? この質問に対しては「そうではない」と否定しながらも「その危険要素はあるということ、その程度」だと淡々と答えた。

消費も創意性の産物である。どれだけトレンディーなものを、新しいものを、感覚的に追っていくのか、ということも主体的な活動だ。1990年代生まれが、コンテンツ需要者の最前線で、そのような流れを作った。イム氏の持論だ。「その原動力の一つは、生物学的年齢だ。それを使い果たした時、これが維持されるかが疑問だ。維持される可能性もあり、そうでない可能性もある」

冷笑的ではあるが、必ずしも否定的ではない。現在を肯定的に見る側面も確かにあるが、未来に対して楽観はしない。

世の中をこのようにみるイム氏の見解は、依然として無限の可能性を持っている。だが、一方で、悲観的な未来に不安を感じる1990年代生まれの特性を、そのまま示しているのではないかとも受け止められた。

その1990年代生まれの一員としてイム氏も今日を生きていた。

イム・ミョンムク氏©MONEYTODAY

◇「オタ活? しない方がおかしい」

今回のインタビューは、ソウル大アジア言語文明学部の大学院の授業を数時間後に控えたときのものだった。イム氏は今後、米国への留学の可能性を残す一方で、作家や評論家としてさらに活動したいという思いもあるようだ。

――最近、何に最も関心がありますか。

イム氏 私は2021年年からアイドルについて調査を始めた。最初は社会現象を探求する目的で始めたが、やってみると、これは人生を意味すると思った。

――オタ活をしてみてはどうか。

イム氏 これをやらない方がおかしい。しない人の方が、ちょっと問題のある人だ(笑)。価値のあるオタ活をしようと大いに悩んでいる。最近、専門分野の勉強より、より一生懸命K-POPの学習をしている。

――価値のあるオタ活とは何だろうか。

イム氏 K-POPの本を今、1冊準備している。目次は作った。美術史を専攻していた大学院の同期1人が、アイドルミュージックビデオを専門的に解説してくれた。この友人と2人で、アイドルの叙事と意味、それを人文学的に究明する作業をしようと思う。

ガールズグループ「今月の少女」(写真提供=Blockberry Creative)©MONEYTODAY

◇「オンラインに10代の姿が見えない」

イム氏もまた、2022年を生きる1990年代生まれの1人の青年だ。その一方で、最も脚光を浴びている20代の論客であり作家。彼もやはり「起承転―アイドル」に陥っているのだった。今回のインタビューの始まりと終わりの話を「アイドル」につなげていく理由でもある。

「アイドル界を見れば3年後の政界を予測できる」という彼の言葉が再び浮上した。

イム氏はインタビューの最後に「次の世代」である2000年代生まれについて、次のような話をした。

「2000年代中・後半の生まれは、1990年代生まれとは違う点が多いようだ。1990年代生まれは1980年代生まれが作ったオンラインコミュニティ環境に入って活動した。ところが、最近、オンラインに10代の姿が見えない。おそらく最初から自分たちだけで他の領域を作っていると思われるが、まだ可視化されていない。調べ上げて、2000年代生まれの特徴を明らかにする必要がある。それもアイドル界を見ればわかるようだ。今、アイドルの中で一番若い層が2007年生まれだ」

(つづく)

©MONEYTODAY

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