2024 年 7月 27日 (土)
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[KWレポート] 2.5億人が取り付かれたKメタバース「ZEPETO」の秘密 (1)

今年の企業価値は3兆ウォン超

©MONEY TODAY

韓国ネット大手ネイバーによるアジア最大のメタバースプラットフォーム「ZEPETO(ゼペット)」が著しく成長しています。今年は北米やアジアの現地法人を中心にサービスを拡大し、世界制覇を狙うといいます。ZEPETOの成功要因とネイバー率いるKメタバースの底力を追いました。(シリーズ1/2回)

昨年、ZEPETOの加入者が全世界で2億5000万人を突破した。米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)の有料加入者(2億1360万人)より多い。このうち90%が海外ユーザーで、80%は未来の重要消費層であるZ世代だ。海外で先に口コミで広まったZEPETOは、メタバースブームに乗って、1年間で企業価値が10倍近く高騰した。K-コンテンツブームが続く中で、今年、ZEPETOは投資の誘致を通じて生態系を拡張し、本格的なグローバルメタバース・プラットフォームとしての位置づけを図る見通しだ。

業界によると、ZEPETOを運営する「ネイバーZ」は昨年末、ソフトバンク「ビジョンファンド」(SVF)、K-POPアーティストのBTS所属事務所のハイブ、BLACKPINKが所属するYGエンターテインメント、TWICEやITZY、NiziUなどが所属するJYPエンターテイメントなどから2235億ウォンの出資を受け、企業価値が1兆2000億ウォンだと評価された。2020年まで企業価値が1500億ウォン台だったことを考えれば、1年間で8倍も急増したことになる。最近、グローバルメタバースブームに乗って、目覚しく成長した。証券業界では今年、ネイバーZの企業価値が3~4兆ウォンへと高騰するという予測も出ている。

ZEPETOホームページより©MONEY TODAY

2018年8月に発売されたZEPETOは、3次元アバターで仮想現実を体験するメタバースプラットフォームだ。世界200カ国14カ国語でサービスされ、韓国版「ロブックス」と呼ばれる。ただ、証券会社が推定したZEPETOのMAU(月間活性利用者)は1200万人ほどで、依然としてロブロックス(2億人)にはるかに及ばない。これを受け、ネイバーZはソフトバンクなどから確保した資金で、今年はグローバル拡大に拍車をかける計画だ。

◇米国に続き香港法人設立…ゲームでZEPETOの生態系を広げる

ネイバーZは最近、香港法人「NAVERZ Limited」を設立した。昨年設立した「ネイバーZ USA」に次ぐ2番目の海外法人だ。ZEPETO加入者の中で中国、韓国、日本などアジア人の割合が最も高いだけに、香港法人はアジア企業と協業してZEPETO内のコンテンツを増やし、ユーザー拡大に乗り出す見通しだ。ネイバーZの関係者は「ZEPETOの強みであるグローバルコンテンツを活性化し、サービスと利用者を拡大する」とし「人材採用にも力を注ぐ予定だ」と述べた。

アバターを利用したSNSにとどまっていたZEPETOは、ゲームやショッピングなど生態系も本格拡大する。ネイバーZはロブックスのようにZEPETO内のゲーム機能を強化するため、「風の国:凧」で有名なモバイルゲーム開発会社スーパーキャットと合弁会社「ZEP」を設立したのに続き、ルノーソフトとも合弁会社「ピノキオ」を設立した。最近はゲームプランナーの採用も進めている。ZEPETOの中で使われる仮想通貨「ゼム」やアイテムなどを月4900ウォンで定期購読するプレミアムサービスも発売し、収益モデルを多角化した。

ネイバーZの業績にも青信号が灯っている。スノーから分社化した2020年初年度のネイバーZは、86億4646万ウォンの売り上げと188億9706万ウォンの営業損失を記録した。しかし、2021年の売上高は400億ウォン台と、4倍以上成長したと見られる。2022年は黒字転換も可能な見通しだ。メリッツ証券のキム・ドンヒ研究員は「2022年のネイバーZの売上高は、前年同期比192%増の1110億ウォン、営業利益は269億ウォンと黒字に転換する」との見通しを示した。

ネイバーZの関係者は「ZEPETOはグローバルZ世代が集まったアジア最大のメタバースプラットフォームだ」とし「多様なブランド及びIP(知的財産権)と協業してZ世代の遊び文化がZEPETO内で広がるようにし、プラットフォームの競争力を高めたい」と述べた。

(つづく)

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