2024 年 7月 13日 (土)
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[KWレポート] 2.5億人が取り付かれたKメタバース「ZEPETO」の秘密 (2)

韓服の代わりにKポップ…グローバルMZ世代「胸キュン」

(写真=ネイバー)©MONEY TODAY

韓国ネット大手ネイバーによるアジア最大のメタバースプラットフォーム「ZEPETO(ゼペット)」が著しく成長しています。今年は北米やアジアの現地法人を中心にサービスを拡大し、世界制覇を狙うといいます。ZEPETOの成功要因とネイバー率いるKメタバースの底力を追いました。(最終回)

「ZEPETOがネイバーを超えるのはもちろん、ネイバーを吸収する時代が来ないとも限らない」。ネイバーのある関係者の発言は、それだけZEPETOの莫大な潜在力と期待感をうかがわせる。

ZEPETOは2018年8月、発売3カ月でダウンロードが世界で1200万件を突破し、15カ国でダウンロード1位を記録した。当時、中国ではZEPETOの類似アプリが作られるほどだった。自分に似ているが、よりきれいでかわいいアバターを作ることができることが脚光を浴び、7カ月ぶりにグローバル加入者1億人を確保した。現在はモバイルメッセンジャー「LINE」に続き、ネイバーのグローバル領域を拡大する第2の先兵として成長してきた。

韓国メタバースの誇りとも言えるZEPETOのグローバル化の秘策は、皮肉にも韓国的な色彩を抜いたことにある。韓服や韓国の名所などのコンテンツはあるが、全面には出さない。全世界に向けて企画されたサービスであるだけに、地域、人種、言語、宗教の多様性を考慮した措置である。コミュニティガイドラインにも「多様な文化や規範を尊重する」という指針を明確にしている。ZEPETOは世界の人々の楽しい遊び場であるだけに、政治的摩擦に火をつけかねない要素は排除するというわけだ。

その代わり、新しい文化トレンドに浮上したKポップを前面に出して競争力を強化した。Kポップアーティストをアバターにしたり、関連空間(マップ)を披露したりしたのが代表的だ。実際、ZEPETOで開催されたBLACKPINKのファンサイン会とITZYのファンミーティングには、それぞれ4600万人、680万人のグローバルファンが駆けつけた。米エピックゲームズのメタバースプラットフォーム「ポートナイト」がアリアナ・グランデ、トラビス・スコットなどポップ歌手を前面に押し出して注目を集めているように、ZEPETOもKポップでグローバルファンを引っ張っている。

◇MZ世代中心のスピーディーな実行力

MZ世代中心の素早い実行力もZEPETOの成功要素だ。ネイバーZは1988年生まれのキム・デウク代表をはじめ、約300人の社員の大多数が20~30代の若い社員だ。そうしてZ世代の需要を早く読み取った。分社化前のスノー時代から利用者の反応に機敏に対処してきた企業文化も大きく役立っている。

キム代表は、スノーカメラアプリで提供していた3次元アバターコンテンツが独立サービスとして勝算があると判断すると、「ZEPETO 1.0」を3カ月で発売した。アバターしか作れなかった1.0バージョンから3D空間「ZEPETOワールド」を追加した2.0バージョンにアップグレードするまで、わずか7カ月しかかからなかった。

ネイバーZの関係者は「社員のほとんどが若いため、スタートアップのように意思決定と実行が早い」とし「米アイビーリーグやシリコンバレー出身など人材がしっかりしているのも長所だ。海外法人を設立したのも、優秀な人材を確保するためだ」と述べた。

◇私はきょう、ZEPETOに出勤する

ZEPETOはSNSを越えて創作プラットフォームとして生まれ変わり、飛躍的に成長した。ユーザーがZEPETOのコンテンツを楽しむだけでなく、直接衣装などのアイテムを作って販売できるようにすると、全世界の「金の卵」が集まり始めたのだ。

2020年4月に創作プラットフォーム「ZEPETOスタジオ」がオープンした後、現在までに70万人の創作者が約200万個のアイテムを提供している。実際に販売された数量だけで2500万個以上だ。いつのまにかZEPETO自体が提供するアイテム数を超えるほど、個人がコンテンツから収益を得る「クリエーターエコノミー」が開花したのだ。

今後、ZEPETOの生態系がゲーム・エンターテインメントなどに拡大すれば「クリエーターエコノミー」もそれだけ大きくなる見通しだ。ネイバーZの関係者は「SNSに創作要素が加わり、自分が作ったアイテムが他のユーザーに多く見られ、販売もできるという好循環構造が、ZEPETOの差別化ポイントだ」と説明した。

ネイバーZが夢見るのは、日常生活をZEPETOに移した真の意味のメタバースだ。例えば、ZEPETOで公演して稼いだお金でワールド内の飲食店で決済すれば、その料理がオフラインで配達されるといった具合だ。

このような点で仮想経済の中核として浮上したNFT(非代替性トークン)や仮想通貨事業との連動も期待される。すでにLINEは日本で「ZEPETO NFT」を発行した。ネイバーZもまた、ザ・サンドボックスとNFT事業に関する覚書(MOU)を締結し、ブロックチェーン企業の「スーパーブロック」「ハデレク」などに相次いで投資した。ただし、ネイバーZ関係者は「まだ(仮想通貨事業は)具体的に決まっていない」としている。

(おわり)

「2.5億人が取り付かれたKメタバース『ZEPETO』の秘密」はMONEY TODAYのユン・ジヘ記者が取材しました。

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