2024 年 6月 15日 (土)
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[KWレポート] “韓国破産”25年後の実情 (4) 現状の憂慮は「過度」なのか

映画「国家不渡りの日」ポスター(c)news1

韓国の対外信任度を示す指標であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムも昨年11月3日に75bp(1bp=0.01ポイント)まで上がり、懸念が続いている。これは新型コロナウイルスによるパンデミック直後の2020年3月(57bp)に比べて高い水準だが、金融危機当時の2008年10月27日に699bpまで急騰したことを考えれば、心配する水準ではない。

テーマパーク「レゴランド・コリア」開発会社の債務不履行により短期金融市場で目詰まりが起きたことなどで大幅に上昇したが、資金の目詰まりの憂慮が減り、昨年末に54bpに下がった。この指標が上昇すれば、韓国の対外信頼度を低下させ、政府の外貨資金調達費用を高くするだけでなく、海外資本の流出と国内金融市場の変動性を高める要因として作用する可能性がある。

満期1年以下の短期外債の割合も、ここ10年で40%を突破したが、過去の危機の時に比べると低い水準だ。韓国銀行によると、昨年第2四半期(4~6月)末の外貨準備高に対する短期外債の割合は41.9%で、前四半期末(38.2%)に比べ3.7ポイント増加した。短期外債の比率が40%を超えたのは、2012年第3四半期(7~9月)の41.5%以来10年ぶりのことだ。

また、2012年第2四半期(45.6%)以降最も高い水準だ。外債の健全性を示す対外債務(総外債)に占める短期外債の割合も27.8%で、前四半期末(26.7%)に比べ1.0ポイント増えた。

一方、金融危機当時は短期外債比率が最高70%と高かった。短期外債は、国際金融市場の変動性が高い時に急激に流出する恐れが高い資金で、指標が低いほど安定的だとされる。また、対外支払い能力を示す指標としても活用される。

短期外債比率が高まったのは、ウォン・ドル為替レートの下落で、当局が外国為替保有額を動員して為替防御に乗り出した影響が大きい。韓銀によると、外貨準備高は昨年11月末に4161億490万ドルと、1年前より478億271万ドル減少した。

◇「今と1997年、2008年は全く違う」

昨年、高金利の中で庶民の苦痛を倍加させた物価高も簡単には収まらない見通しだ。統計庁によると、昨年の年間消費者物価は5.1%増を記録し、1998年の国際通貨基金(IMF)危機以後、24年ぶりに最大の上昇幅を記録した。

物価は昨年下半期から上昇傾向が鈍化しているが、中国が厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策を転換し、本格的に「ウィズコロナ」に乗り出す場合、再び昨年7月の水準に急騰する恐れがあるという見方も出ている。

ただ、政府と韓国銀行は、第2の通貨危機が発生する可能性は低いと見ている。

チュ・ギョンホ(秋慶鎬)経済副首相兼企画財政相はこれに先立ち、アジア開発銀行(ADB)年次総会で「今と1997年、2008年は全く違う。韓国で経済危機が再現される可能性は非常に低い。韓国は外貨準備高も多く、危機が発生する可能性は全くないと思う」と指摘している。

韓国銀行のイ・チャンヨン(李昌鏞)総裁も新年の辞で「昨年ウォン・ドル為替レートが1400ウォン台半ばまで急落し、一部では過去の危機状況が再演される恐れがあるという憂慮が提起された」と言いつつも「外国為替部門の不安は緩和された。私たちは危機発生の可能性を警戒はするものの、過度な憂慮で萎縮する必要はない」と指摘した。

◇「蓋然性、非常に高い」vs「極端な予測」

ただし、専門家らは、今年も金利引き上げが避けられず、景気の低迷が加速して第2の金融危機につながりかねないと懸念している。

延世大学経済学部のソン・テユン教授は「現在スタグフレーション(景気低迷の中で物価上昇)が進行中だが、これを制御するために金利引き上げが避けられない状況だ」とし「金利引き上げにより追加的な景気下落圧力が発生すれば、景気低迷が深まる可能性がある」と憂慮した。

ソン教授は「今年、企業の実績が悪化し、高金利の影響で景気低迷と共に金融市場の不安が強まる恐れがある」と述べた。そのうえで「これ自体は危機とは言えないが、IMF危機のような事態が発生しうる蓋然性が非常に高い状況であり、このような環境で流動性管理がうまくできなければ、危機が直ちに進行する恐れがある」と懸念した。

その半面、IMF危機当時と現在の韓国の経済基礎体力などは十分なだけに、心配しすぎだという指摘もある。

ソウル大学経済学部のアン・ドンヒョン教授は「現在の状況は景気鈍化程度であり、最悪の場合でも景気低迷程度ではないか」と指摘。「IMF危機のような状況に陥るというのは、極端な予測だろう」と話した。

「もし米国が金利を急激に上げて景気が短時間に悪化することになれば、韓国経済も非常に厳しくなる可能性はある。不動産価格が下落しているのに金利までさらに上がれば、証券会社や与信専門金融会社なども相当部分被害を受けることになり、下手をすれば崩れることもありうる。ただ、今のところ可能性は低いと思う」

アン教授はこう見通す。

(つづく)

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