2024 年 10月 13日 (日)
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[KWレポート] 韓国南部、最悪の干ばつ (下)

農業・工業用水の確保も非常事態

羅州(ナジュ)湖が干上がっている(c)news1

韓国で日照りが続き、産業団地の工業用水と来年の農作業のための農業用水確保にも赤信号が灯った。

国内最大の石油化学団地である麗水(ヨス)国家産業団地と鉄鋼業者が入っている光陽(クァンヤン)国家産業団地は、日照りの長期化に備え、追加の取水源の確保を模索している。

麗水・光陽(クァンヤン)産業団地には現在、住岩(ジュアム)ダムから70万トン、水魚(オス)ダムから7万トン、蟾津江(ソムジンガン)から河川水17万8000トンが工業用水として供給されている。1日平均94万トン程度だ。

産業団地では、大多数の工程で製品を生産する際に水を必要とし、水が不足すれば、工場稼動に支障をきたす。

そのため、日照りの長期化への備えを始めている。

産業団地入居企業と地方自治体、水資源公社は、産業団地正常稼動を維持するため、蟾津江河川水を追加で10万トンをさらに確保する計画だ。その場合、近隣のシジミ漁への被害が予想され、補償の手続きを進めている。

◇来年の農業用水確保も非常事態

河川の占用許可者である韓国水資源公社は河川法にしたがって、蟾津江水系にある光陽市と慶尚南道(キョンサンナムド)河東(ハドン)郡の住民に対する補償を検討している。そのための費用は用水使用量によって分担する方針だ。

各企業は、追加の取水源の確保とともに、冷却水排出の最小化▽工場整備日程の調整▽廃水の再利用――などの対策も講じている。

麗水国家産業団地のある関係者は「製品を作る時、ほとんどすべての工程で水を使用している。今は備蓄しておいた用水を使用している。ただ今の状況が長引けば、工場の稼動にも影響を与えかねない」と憂慮している。

来年の農業用水の確保も非常事態だ。農作業のための貯水率は半分にも達しない。

全羅南道(チョルラナムド)地域の給水区域の27%(3万ヘクタール)を担当している羅州(ナジュ)湖など4つの主要貯水池は、現在の貯水率が29.3~56.1%となっており、例年の水準に大きく及ばない。

農業用主要貯水池の貯水率は21日現在、潭陽(タミャン)湖29.3%(平年比54.3%)、長城(チャンソン)湖32.8%(同56.6%)、羅州(ナジュ)湖34.8%(同65.7%)、光州(クァンジュ)湖56.1%(同69.6%)だ。

麗水国家産業団地(麗水市提供)(c)news1

◇冬に降水量が増える要因もなく……

韓国の代表的な穀倉である羅州平野。9000余ヘクタールの農耕地に農業用水を供給する羅州湖には、来年の農作業のために貯水率を70%維持する必要がある。だが現状は、その半分にとどまっている。

中小規模の貯水池の状況も似ており、全羅南道1002カ所、光州53カ所の農業用貯水池の平均貯水率は45%で、平年の60%にとどまっている。

ただ、今年の冬に降水量が増える特別な要因もないとみられ、農業従事者の苦悩は尽きない。

主要農業用水を管理する農漁村公社は、農業用水危機状況を「警戒」レベルに維持し、多様な対応策作りに苦心している。

独自に用水を供給できる貯水池であれば、栄山江(ヨンサンガン)洪水統制所など関係機関と協議し、河川水を譲受して貯水池の水溜めを実施することにした。

生活・工業用水、ゴルフ場用水など、農業用水以外の用水供給については、使用許可指針や契約事項を厳格に適用して用水供給を中断している。

農漁村公社は日照りに備えた農業用水確保対策の一つとして、これまで羅州湖で2つのゴルフ場に提供してきた芝生管理用用水供給を18日から中断している。

「韓国南部、最悪の干ばつ」はnews1のイ・スンヒョン、パク・ジンギュ、ソ・チュンソプ、パク・ヨンレ、キム・ドンスの各記者が取材しました。

(c)news1

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