韓国政府は、エコカー市場の世界進出をにらみ、エコカー普及拡大政策を積極的に推進している。2030年までに電気自動車362万台、水素自動車88万台、ハイブリッド自動車400万台の計850万台のエコカーを普及させる計画だ。無公害車を購入する消費者に対して支援金を与え、メーカー側には一定の割当量を販売する義務を付与する。
韓国環境省は、昨年4~10%だった自動車製作・輸入会社の無公害車普及目標を、今年初めに8~12%に引き上げ、無公害車の普及目標を累積50万台まで拡大することにした。
これにより、年間10万台以上を販売する現代(ヒョンデ)自動車・起亜(キア)自動車は12%の目標を達成しなければならない。
韓国GM、ルノーコリア、双龍(サンヨン)自動車、ベンツ、BMW、トヨタなど2万台以上の販売企業も、8%超を求められる。目標を達成できなければ、来年から寄与金の支払いを求められる。
一方、普及目標を超過すれば、その実績を翌年に繰り返して寄与金の負担を減らしたり、目標を達成できなかった他のメーカーと取引したりすることもできる。
◇メーカーの苦悩
韓国政府が電気自動車の普及を積極的に進める一方で、各自動車メーカーは苦悩している。
エコカーである電気自動車の普及拡大という流れに同意はする。だが普及目標の達成は現実的には困難だ。特に海外工場で生産し、韓国で販売する輸入車メーカーは、より達成が難しいとみられる。
各メーカーは既に、施行中の「自動車温室効果ガス管理制」で課徴金を支払っている。無公害車普及目標に絡んで寄与金を要求されるのは「重複規制」だとの声も出ている。
こうした企業側の訴えに対し、環境省は海外事例もふまえ、制度の正当性を主張する。
米国は無公害車の普及目標を2035年には100%に強化した。韓国と同様の制度を中国も実施、英国も2024年から導入するなど、メーカーの責任を強化しているのが世界的な流れだとしている。
環境省は寄与金の支払いについては2023年から施行するとしているが、例外的に「柔軟性制度」を適用した場合は、3年後の2026年から賦課するとしている。
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